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データセンター向け空調気流制御製品「アイルキャッピング」に低価格のLiteタイプを追加 *省エネ性能は同等で価格を従来品の1/2から1/3に*

NTTファシリティーズは、データセンター向け空調ソリューション「ACORDIS(アコーディス)」の新ラインナップとして、アイルキャッピングLiteを追加し、2010年8月2日より設計・施工・販売を開始いたします。
 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 沖田 章喜、以下、NTTファシリティーズ)は、データセンター向け空調ソリューション「ACORDIS(アコーディス)」*1(2006年日本建築学会賞技術賞受賞)の新ラインナップとして、アイルキャッピング*2Liteを追加し、2010年8月2日より設計・施工・販売を開始いたします。


 近年のIT装置の高密度化及び高発熱化に伴い、データセンターの消費電力量は今後ますます増加すると予想されています。それらの消費電力の半分程度を占める空調システムの省エネルギー化は極めて重要な課題といえます。
 アイルキャッピングとは、ラック列間の通路を壁や屋根で区画し、IT装置への給気(低温)とIT装置からの排気(高温)を物理的に分離して効率的な空調環境を実現する気流制御技術であり、データセンターにおける省エネルギーと高信頼を両立することが可能な最先端の空調ソリューションです。
 NTTファシリティーズでは、2008年12月よりアイルキャッピングの販売を開始し、ヘッドキャップ工法、サイドキャップ工法といったラインナップを順次ご提供してきましたが、多様化するお客様のニーズに応えるため、省エネ性能は従来品と変わらないまま、価格を従来品の1/2から1/3に抑えたLiteタイプを開発し、アイルキャッピングシリーズを拡充いたします。
 なお、アイルキャッピングLiteは、日東工業株式会社(取締役社長 山本 博夫)、及び株式会社ニチベイ(代表取締役 福岡 勇之輔)と共同で開発したもので、同社にて製造します。
 NTTファシリティーズは2003年にアイルキャッピングの基本特許を出願し、2006年には同特許を取得しております。


【本製品の特徴】
(1) 適用領域に応じた機能の簡素化により、価格を従来品の1/2から1/3に
 従来よりご提供してきたアイルキャッピング標準版は、震度6強の地震動が発生した際、耐震ビルの上層階に設置されている場合においても主要構造に破断等が生じることなく、良好な空調環境を継続するとともに近接ラックに悪影響を与えない仕様としていました。ところが、建物の下層階や免・制震機構を有する建物内にアイルキャッピングを設置する場合には耐震性能を低減することが可能なため、Liteタイプでは、適用領域とそれに最適な耐震性能を設定し、併せて部材および構成を簡素化することで、従来品に比べて1/2から1/3という大幅な低価格化を実現しました。


(2) 従来品と同等の温度環境維持性能
 定常状態の気流制御性能はもとより、空調停止時における温度上昇抑制効果についても、従来品と同等の温度環境維持性能を有していることを確認しています。また、ラック型空調機FTASCL-RS/C*4の併設によるタスクアンビエント空調*5方式への対応も可能です。


【本製品のラインナップと製品概要】
 アイルキャッピングLiteは、様々なラック設置状況に対応するために、3種類の工法をラインナップしています。軽量でラックへの負荷が小さいヘッドキャップ・パネル工法、ロールスクリーンを応用したヘッドキャップ・ロール工法、天井面からラック上面までをシートで囲うサイドキャップ・タペストリ工法と、お客様のニーズに合わせて選択することが可能です。
 免震ビルおよび制震ビルにおいては全フロアで安価なアイルキャッピングLiteを導入していただけます。耐震ビルにおいても、地震動が比較的小さい中央階以下のフロアについてはアイルキャッピングLiteの導入が可能です。 耐震ビルの上層階においては従来品である標準版の導入をご提案します。 設置箇所の要件に合わせたアイルキャッピングを設置することで、省エネルギーで高信頼な空調環境を低コストで実現することができます。


【アイルキャッピングの導入メリット】
(1)省エネルギー
 現在のデータセンターの標準的な空調方式である、二重床吹出横吸込方式にアイルキャッピングを設置することにより、空調風量を必要最小限に抑え、空調機の消費電力を約20%削減*6することができます。 また、アイルキャッピングに加えてIT装置用床置型空調機FMACS*7シリーズ、IT装置用ラック型空調機FTASCLシリーズでタスクアンビエント空調を構築することで、世界最高水準の高効率な空調環境*8を実現することが可能です。
(2)ホットスポット対策
 データセンター内に設置されるIT装置類の高機能化・高密度化に伴ってラック毎の発熱量の差が大きくなり、各ラックへの適切な冷気供給が難しくなってきました。また、空調機からの冷気がIT装置の冷却に使われず、そのまま空調機の吸込口に戻るショートサーキット現象が発生し、それによって生じたホットスポットを解消するために非効率な空調が行われている状況も見られます。図2に示すように、アイルキャッピングを設置することによってコールドアイルの温度を一様に保つことが可能になり、ホットスポットを解消することができます。


(3)空調停止時の室温上昇抑制
 近年、データセンター内の発熱密度が大きくなったため、停電により空調機が停止した後の室温上昇が急激になり、数分後にはIT装置の運用温度の上限を超過するケースも見られるようになりました。
 アイルキャッピングを採用した室内では、空調機が停止してもコールドアイル内が囲まれているため、IT装置の高温排気の回り込みによる急激な温度上昇が抑制されます。これにより、万が一の空調停止時でも室温の上昇が緩やかになり、IT装置の運用限界温度までの到達時間をアイルキャッピングが設置されていない場合と比較して半分以下にすることができます(実大規模実験により検証済み)。


【総合ソリューションの提供】
 NTTファシリティーズでは、データセンター向けソリューションとしてアイルキャッピングシリーズの他、FMACS-5*7シリーズ、局所空調用のラック型空調機FTASCL-RS/C、高機能アルミ二重床システムFIT Floor*9をご用意しています。これらの総合ソリューションの企画・設計・構築・運用管理によりお客様のデータセンターや大規模から小規模サーバルームに最適な環境をご提供し、信頼性だけでなく事業性向上と環境負荷低減を重視される全てのお客様に貢献いたします。



【注釈・用語説明】
*1 ACORDIS
 「ACORDIS(アコーディス)」はNTTファシリティーズの登録商標です。

*2 アイルキャッピング
 「アイルキャッピング」はNTTファシリティーズの登録商標です。

*3 耐震性能ランク
 建築物や装置等の構造設計や振動解析をする際に、地震時の応答を評価するために用いられる入力地震動の大きさをあらわす指標のひとつ。R06は最大加速度0.6Gを、R12は同1.2Gを表します。
1G=980gal=980cm/s2

*4 FTASCL-RS/C
 「FTASCL(エフタスクル)」はNTTファシリティーズの登録商標です。

*5 タスクアンビエント空調
 NTTファシリティーズが提案しているデータセンター向けの空調方式です。室内の発熱負荷をアンビエント(全体)とタスク(局所)に分けて空調することにより、空調システムを高効率化し省エネルギーを実現することができます。一般に、データセンターでは、ブレードサーバなどが設置され発熱負荷の大きいエリアと、そうでないエリアが混在しています。これらを一律に冷却すると発熱負荷の大きいエリアに合わせて空調するため、全体として過剰な冷却となり余分なエネルギーを消費します。本方式では、発熱負荷の大きいエリアにタスク空調機を配置し、その他のエリアはアンビエント空調機で処理させるため、消費エネルギーの無駄をなくすことができます。

*6 空調機の消費電力を約20%削減
 NTTファシリティーズ調べ。空調方式を二重床吹出横吸込空調方式とし、二重床開口パネル設計を実施していない場合に適正な温度環境を実現しようとした場合、空調機の風量を大幅に増加させる必要があります。しかし、同じ空調方式でアイルキャッピングを設置し、二重床開口パネル設計を実施した場合はIT装置の排気の回り込みが生じないため、最低限の風量で適正な温度環境を実現することができます。この試算結果は両者において適正な温度環境を実現するために必要な風量を比較した場合、アイルキャッピングを採用することで空調機の送風機動力を約50%削減することができます。送風機動力削減量を消費電力量として算出すると約20%削減となります。

*7  FMACSシリーズ
 「FMACS(エフマックス)」はNTTファシリティーズの登録商標です。

*8 世界最高水準の高効率の空調環境
一般的な空調システムである冷凍機とエアハンドリングユニット、または一般電算用空調機を画一的なパネル配置で構築した空調システムを基準とすれば、FMACS-5とFTASCL-RS/C、アイルキャッピングで空調システムを構築した場合、空調用消費電力を最大で65%削減することができます。(NTTファシリティーズ調べ)

*9 FIT Floor
「FIT Floor(フィットフロアー)」はNTTファシリティーズの登録商標です。



【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社NTTファシリティーズ
広報室 TEL:03-5444-5112

《関連URL》
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei20/h20-1119.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei21/h21-0512.html
http://www.ntt-f.co.jp/service/aco_aislecapping/
http://www.ntt-f.co.jp/service/aco_sol/pdf/catalog_acordis.pdf
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