世界で初めてiPS細胞から視細胞への分化誘導法を確立したDr. David Gammと新会社を設立
[16/09/28]
提供元:@Press
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富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)の子会社で、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米国Cellular Dynamics International, Inc.(セルラー・ダイナミクス・インターナショナル、以下CDI社)は、このほど、世界で初めてiPS細胞から視細胞への分化誘導法を確立し網膜疾患治療の世界的権威であるDr. David Gammと、他家iPS細胞を用いた網膜疾患の治療法を開発する新会社「Opsis Therapeutics, LLC.」(以下、「Opsis Therapeutics」)を米国に設立しました。
◆詳細はWebサイトをご覧下さい。
⇒ http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1113.html?link=atp
網膜疾患は、眼の中で光を感じる組織である網膜の異常を原因とする疾患で、加齢に伴って眼の網膜の中心部の黄斑部にある網膜色素上皮細胞(*2)が減少する加齢黄斑変性症や、網膜の視細胞(*3)が広範に変性する網膜色素変性症などがあります。現在、世界の患者数は、加齢黄斑変性症で2000万人以上、網膜色素変性で150万人以上といわれています。
網膜疾患は、人々の生活の質に深刻な影響を与えるため、アンメットメディカルニーズが高い病気ですが、現在開発されている治療法は、疾患の進行を遅らせるだけで、完治する治療法は確立されていません。網膜疾患の完治のためには、網膜色素上皮細胞だけではなく、視細胞を再生させて、視力回復を図ることが重要となります。
Dr. David Gammは、世界で初めてiPS細胞から視細胞への分化誘導法を確立した最先端の科学者であり、同時に眼疾患の多くの患者を治療してきた医師でもあります。またCDI社は、iPS細胞の治療への応用を目指しており、現在、米国国立眼科研究所(National Eye Institute、以下NEI)(*4)と、他家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞を用いた加齢黄斑変性の治療に関する共同研究開発を進めています。
今回、CDI社が研究開発している他家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞と、Dr. David Gammが開発したiPS細胞由来の視細胞を用いて、加齢黄斑変性症や網膜色素変性症などアンメットメディカルニーズが高い網膜疾患の治療法を開発するために、両者で「Opsis Therapeutics」を設立。「Opsis Therapeutics」では、CDI社がGMP(*5)に準拠して製造した、免疫拒絶を起こしにくいHLAタイプ(*6)の他家iPS細胞の提供、網膜色素上皮細胞や視細胞への分化誘導のプロセス開発を担い、Dr. David Gammが細胞の移植法などの治療手技の開発、治験ネットワークの構築、治験計画の設計などを担当します。
今後 「Opsis Therapeutics」は、 他家iPS細胞を用いた網膜疾患の治療法の開発を進め、本治療法に必要となる、網膜色素上皮細胞と視細胞を組み合わせた再生医療製品を上市することで、再生医療の事業化を推進していきます。
CDI社は、医薬品の新薬開発における創薬スクリーニングや毒性試験に用いる創薬支援用のiPS細胞などを、世界中の多くの大手製薬企業や先端研究機関などに対して供給してきました。現在、治療用細胞の開発を加速させており、来年にも免疫拒絶を起こしにくい12種類のHLAタイプのiPS細胞バンクを樹立する計画です。今後も、アカデミアや研究機関などとも連携した研究開発を行い、さらなる事業拡大を図っていきます。
*1 患者本人以外の健常人の細胞から作製したiPS細胞。
*2 網膜の外側の細胞で、細胞内に入る余分な光を吸収し、散乱を防ぐ機能などを持つ。
*3 網膜内に存在し、光刺激を吸収し電気信号へと変換する機能を持つ細胞。
*4 米国の保健福祉省公衆衛生局に所属する、医学研究の拠点機関である国立衛生研究所(National Institutes of Health)の下部組織。
*5 Good Manufacturing Practice。品質の良い医薬品、医療用具などを供給するための製造管理および品質管理を定めたもの。
*6 HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いている。造血幹細胞移植や臓器移植では、自分のHLAのタイプに合わないものはすべて異物と認識して攻撃を始めてしまうため、免疫拒絶反応を抑制する必要からHLAの適合性が重要視される。
<関連情報>
富士フイルムの医薬品 製品ラインアップ
⇒ http://fujifilm.jp/business/healthcare/medicine/index.html?link=atp
Cellular Dynamics International, Inc.
⇒ https://cellulardynamics.com/?link=atp
富士フイルムニュースリリース一覧
⇒ http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/index.html?link=atp
富士フイルム株式会社
⇒ http://fujifilm.jp/?link=atp
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網膜疾患は、眼の中で光を感じる組織である網膜の異常を原因とする疾患で、加齢に伴って眼の網膜の中心部の黄斑部にある網膜色素上皮細胞(*2)が減少する加齢黄斑変性症や、網膜の視細胞(*3)が広範に変性する網膜色素変性症などがあります。現在、世界の患者数は、加齢黄斑変性症で2000万人以上、網膜色素変性で150万人以上といわれています。
網膜疾患は、人々の生活の質に深刻な影響を与えるため、アンメットメディカルニーズが高い病気ですが、現在開発されている治療法は、疾患の進行を遅らせるだけで、完治する治療法は確立されていません。網膜疾患の完治のためには、網膜色素上皮細胞だけではなく、視細胞を再生させて、視力回復を図ることが重要となります。
Dr. David Gammは、世界で初めてiPS細胞から視細胞への分化誘導法を確立した最先端の科学者であり、同時に眼疾患の多くの患者を治療してきた医師でもあります。またCDI社は、iPS細胞の治療への応用を目指しており、現在、米国国立眼科研究所(National Eye Institute、以下NEI)(*4)と、他家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞を用いた加齢黄斑変性の治療に関する共同研究開発を進めています。
今回、CDI社が研究開発している他家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞と、Dr. David Gammが開発したiPS細胞由来の視細胞を用いて、加齢黄斑変性症や網膜色素変性症などアンメットメディカルニーズが高い網膜疾患の治療法を開発するために、両者で「Opsis Therapeutics」を設立。「Opsis Therapeutics」では、CDI社がGMP(*5)に準拠して製造した、免疫拒絶を起こしにくいHLAタイプ(*6)の他家iPS細胞の提供、網膜色素上皮細胞や視細胞への分化誘導のプロセス開発を担い、Dr. David Gammが細胞の移植法などの治療手技の開発、治験ネットワークの構築、治験計画の設計などを担当します。
今後 「Opsis Therapeutics」は、 他家iPS細胞を用いた網膜疾患の治療法の開発を進め、本治療法に必要となる、網膜色素上皮細胞と視細胞を組み合わせた再生医療製品を上市することで、再生医療の事業化を推進していきます。
CDI社は、医薬品の新薬開発における創薬スクリーニングや毒性試験に用いる創薬支援用のiPS細胞などを、世界中の多くの大手製薬企業や先端研究機関などに対して供給してきました。現在、治療用細胞の開発を加速させており、来年にも免疫拒絶を起こしにくい12種類のHLAタイプのiPS細胞バンクを樹立する計画です。今後も、アカデミアや研究機関などとも連携した研究開発を行い、さらなる事業拡大を図っていきます。
*1 患者本人以外の健常人の細胞から作製したiPS細胞。
*2 網膜の外側の細胞で、細胞内に入る余分な光を吸収し、散乱を防ぐ機能などを持つ。
*3 網膜内に存在し、光刺激を吸収し電気信号へと変換する機能を持つ細胞。
*4 米国の保健福祉省公衆衛生局に所属する、医学研究の拠点機関である国立衛生研究所(National Institutes of Health)の下部組織。
*5 Good Manufacturing Practice。品質の良い医薬品、医療用具などを供給するための製造管理および品質管理を定めたもの。
*6 HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いている。造血幹細胞移植や臓器移植では、自分のHLAのタイプに合わないものはすべて異物と認識して攻撃を始めてしまうため、免疫拒絶反応を抑制する必要からHLAの適合性が重要視される。
<関連情報>
富士フイルムの医薬品 製品ラインアップ
⇒ http://fujifilm.jp/business/healthcare/medicine/index.html?link=atp
Cellular Dynamics International, Inc.
⇒ https://cellulardynamics.com/?link=atp
富士フイルムニュースリリース一覧
⇒ http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/index.html?link=atp
富士フイルム株式会社
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