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日経平均は続伸、レンジ上限を突破、市場はヒラリー氏で織り込む

ランチタイムコメント
 日経平均は続伸。175.14円高の17174.05円(出来高概算8億4000万株)で前場の取引を終えた。米株高や原油高が好感された格好のなか、小幅に続伸して始まると、その後節目の17000円を回復してきている。寄付き直後は為替の円高が重しとなっていたが、株式市場の強い動きの中で円相場も円安に振れており、じりじりと上げ幅を拡大させている。米大統領選の最後のテレビ討論会が19日(日本時間20日午前10時)に開始するなか、これを見極めたいとする模様眺めムードもあったが、市場はヒラリー氏との見方で織り込んでいるようである。

 セクターでは、不動産、その他製品、証券、倉庫運輸、ゴム製品、陸運、銀行、鉄鋼、金属製品、建設などが強い動きに。一方で、医薬品、化学、水産農林、精密機器が小安い。売買代金上位では、任天堂<7974>、ソフトバンクグ<9984>、トヨタ自
<7203>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、三井不<8801>が堅調。半面、ソニー<6758>、オリックス<8591>が利食いに押されている。

 米大統領選の最後のテレビ討論会を見極めたいとしてこう着感の強い展開を見込んでいたが、市場は既にヒラリー氏で織り込んでいるようである。これにより日経平均はこれまでのボックスレンジの上限を突破し、週足ベースの一目均衡表の雲下限
(17063円辺り)を突破してきている。雲上限は17910円に位置しており、これを意識してくるというよりは雲の中で強弱感が対立しやすい。ただし、9月のリバウンド局面では雲下限をキープできなかったこともあり、まずは雲下限を支持線に変えてくるかが注目される。

 まずは、テレビ討論会を終えての市場の反応を見極めたいところ。また、欧州中央銀行(ECB)理事会(20日)にも注目が集まろうが、量的緩和のテーパリングを協議している兆候が示されるといった観測もあったが、決定は買い入れ延長の是非とともに12月に持ち越されるとの見方がコンセンサスであり、市場反応は無風といったところか。
(村瀬 智一)


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