NYの視点:中国の信用不安
[14/03/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
中国の経済や金融システムへの不安が商品相場であからさまになった。中国政府が本土初となる上海超日の債務不履行(デフォルト)を承認したことをきっかけに、中国のシャドウバンキング(影の銀行、銀行を通さない金融取引)によるデフォルトが今後も増加するとの警戒感がひろがっている。また、この懸念が資金調達する際に担保としても使用されている銅や鉄鉱石の価格を引き下げ金融市場の逼迫につながるという悪循環もリスクとして指摘されている。鉄鉱石価格の急落が「リーマンイベント」の始まりを示唆しているとの警戒感も強い。中国が世界最大の買い手となる銅の価格はほぼ4年ぶりの最安値を更新。中国受け渡し鉄鉱石価格も4年半ぶりの大きな下げを記録した。
Baoding Tianwei Baobian Electric Co. (600550) は2年連続の損失を計上、同社の社債や株式の取引が一時停止された。このため、デフォルト警戒感が高まった。メディアではこのほか12社の潜在的デフォルトの危険性が指摘されている。そのほとんどが中国北部の山西省の炭鉱絡み。今後数ヶ月内に主要なデフォルトがないとしても債務再編のプロセスは市場の重しとなるのは確かだ。経済において信用創造は最も重要であるが、重要な資金調達手段が失われることは予期せぬ結果をもたらす可能性があるだけでなく、潜在的に著しい信用イベントに発展する危険もあると警戒されている。
中国では金融状況だけでなく、経済も停滞気味。中国の2月貿易収支は予想外の赤字に転落し輸出も2009年以来となる大幅な減少を示した。14年度の経済も6%台に落ち込むとの警戒感も浮上。世界中の投資家が中国商務省の発表どおり、2月の輸出鈍化が季節的要因によるもので、「14年の中国経済の成長が政府目標である7.5%に達する」ことを祈っている。
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