新興市場見通し:個人投資家マインド改善、アリババ上場観測も支援材料
[14/04/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、個人投資家の取引比率が高いソフトバンク<9984>の急伸がマインド改善につながり、見直し買い優勢の展開となった。週前半は、米国市場でネット関連やバイオ関連など、モメンタム銘柄の下落が続き下値模索の動きに。ただし、米ヤフーの決算発表を手掛かりにソフトバンクが大幅高となったことで地合いは一変し、新興市場の中小型株にも見直し買いが波及した。週末にかけては手掛かり材料が乏しかったものの、値動きの軽いMVNO(仮想移動体通信事業者)関連など、テーマ株の物色は旺盛だった。なお、週間の上昇率は、日経平均が4.0%であったのに対して、マザーズ指数は6.1%、日経ジャスダック平均は2.0%だった。
個別では、日本通信<9424>が週間で約46%の急伸となった。クレディ・スイスが投資判断「アウトパフォーム」、目標株価620円でカバレッジを開始したことが支援材料に。週末には、家電量販各社が格安スマホの販売に参入すると伝わり、同社やフリービット<3843>など、MVNO関連に一段と物色の動きが強まった。その他、第1四半期の好業績観測報道が伝わったガンホー<3765>をはじめ、サイバーエージ<4751>やコロプラ<3668>、ミクシィ<2121>など、主力のネット関連が見直し買い優勢に。その他、ホットリンク<3680>は、米グーグルによるデータ分析企業の買収が思惑材料視され大幅高となった。一方、低調な決算を発表したANAP<3189>やローツェ<6323>、アクロディア<3823>などが逆行安となった。
今週の新興市場は、個人投資家のマインド改善が支援材料となり、戻りを試す展開となりそうだ。先週のソフトバンクの大幅高によって、過度な先行き懸念は後退する状況となっている。ソフトバンクの動向を左右している中国電子商取引最大手のアリババについては、今月中にも上場を申請する見通しと伝わっており、IPO(新規株式公開)への期待が支援材料となる公算。また、米国株式市場ではヤフーの好決算を手掛かりにネット関連を中心としたモメンタム銘柄に下げ止まりの兆しが見られており、新興市場の中小型株を取り巻く環境は徐々に好転している。とは言え、東証1部市場と同様に売買代金は膨らんでおらず、3月決算企業の決算発表も本格化する中で積極的に上値を追う動きも限定的となろう。
個別では、主力のネット関連株を中心に見直しの動きが期待される。ネット関連については、アリババの上場観測が支援材料となるほか、米フェイスブックの決算発表(23日)が好内容となると、売られ過ぎ修正の動きが強まろう。また、先週はガンホー<3765>の好業績観測が伝わるなど、24日に決算発表が予定されているサイバーエージをはじめ、主力のネット関連には業績面を評価した見直しの動きも。その他、先週も賑わった日本通信など、MVNO関連への物色が継続する公算。
なお、今週は23日に白鳩<3192>、フィックスターズ<3687>、西武HD<9024>の3社が新規上場する。先週もジョイフル本田<3191>の初値が公開価格を割り込むなど、大型案件となる西武HDの初値形成は苦戦が見込まれるものの、他の2社については市場からの吸収金額が小さい小型案件であり、需給面主導で堅調な初値形成となりそうだ。
<TN>










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