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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、トランプ発言に懐疑的な見方

注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想したい。米国のムニューシン財務長官のドル安容認発言をトランプ大統領が否定したことで、政権の真意を見極めようとドル買いは慎重になる見通し。また、ユーロ・ドルの買い再開もドルの重石になりそうだ。

トランプ大統領はスイス・ダボスの世界経済フォーラム(WEF)での米テレビによるインタビューで、ドルに関し「ますます強くなる」とし、「最終的に私は強いドルを望んでいる」と述べた。それに先立つムニューシン財務長官の「弱いドルはよいこと」というドル
安容認の見解を否定。トランプ発言を受けドル売りの巻き戻しが強まり、ドル・円は108円半ばから値を戻す展開となっている。ただ、本日アジア市場では一時109円77銭まで切り返したが、110円手前にはドル売り圧力が観測され、戻りは鈍い。また、トランプ政権の為替政策の真意を見極めたいとのムードも広がっており、積極的なドル買いは手控えられているようだ。

今晩は、ダボスで予定されるトランプ大統領の演説が注目される。足元では米国の保護主義的な通商政策を嫌気したドル売りに振れやすく、直近の発言と同様に「強いドル」を支持する内容となっても、ドル買いは限定的となろう。市場には「トランプ政策はドル安が前提」(短期筋)と懐疑的な見方も根強く、30日の一般教書演説などで明確なスタンスが示されるまでドル買いは仕掛けづらい見通し。また、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は前日開催された理事会後の会見で、足元のユーロ高を強くけん制しなかったと受け止められた。このため、ユーロ・ドルの買いが再開され、ドルの上値を押さえる可能性もあ
る。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・12月マネーサプライM3(前年比予想:+4.9%、11月:+4.9%)
・18:00 ECB専門家予測調査
・18:30 英・10-12月期GDP速報値(前年比予想:+1.4%、7-9月期:+1.7%)
・22:30 米・10-12月期GDP速報値(前期比年率予想:+3.0%、7-9月期:+3.2%)
・22:30 米・12月耐久財受注速報値(前月比予想:+0.8%、11月:+1.3%)
・22:30 米・12月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.4%、11月:+0.8%)
・22:30 カナダ・12月消費者物価指数(前年比予想:+1.9%、11月:+2.1%)
・トランプ米大統領がダボス会議で演説




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