染谷エツ子:2019年を振り返って【FISCOソーシャルレポーター】
[19/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家染谷エツ子氏(ブログ「えつこのFX日記〜FXで家計にゆとりを〜」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
※2019年12月27日17時に執筆
取引が多かった豪ドルやポンド
早いもので、2019年も年末となってしまいました。今年の相場の大きな材料といえば、米中貿易協議とイギリスのEU離脱でした。これらの報道がされる度に、ポンドが動き、豪ドルが動きと、一旦動き出せば、トレーダー冥利に尽きる動きとなってくれました。
ここで、「米中貿易問題で何故豪ドルが動くのだろう。」と思われる方のために、改めて、解説させて頂きたいと思います。
豪ドルは、中国の代替通貨と呼ばれています。中国との経済的結びつきが強いため、そのように位置づけられていますが、相場の動きとしてどのように動くかと言いますと、中国の株価である、中国A50株価指数が大きく下がれば、元が売られてドル元が上昇し、豪ドルが売られます。中国の株価である、中国A50株価指数が大きく上昇すれば、元が買われてドル元が下降し、豪ドルが買われます。豪ドルと、中国の元や中国A50株価指数の動きが示す、リスク回避の動きや、リスク選好の動きは方向性が殆ど一致しています。ですから、米中貿易問題での報道がされた場合に、取引通貨はまずは豪ドルに注目していました。豪ドルを取引する場合に、中国の株価である、中国A50株価指数やドル元を観察することで、動きの予想が非常に立てやすかったです。今年は、これらの材料をもとに、豪ドルでの利益が非常に多かったように思います。
オセアニア通貨と言えば、豪ドルともう一つ、NZドルがあります。この、NZドルに関しても、チャートを毎日観察する上で感じたことは、「NZドルはよく動く」ということです。
トレーダーズウェブ社が提供する月初来G10通貨騰落(対円)の12月4日のデータによると、円に対する取引量で、1位がNZドル、2位がスイスフラン、3位が豪ドル、4位はユーロ、5位はデンマーククローネ、6位はポンド、7位はノルウエ?クローネ、8位はスウェーデンクローナ、9位はドル、10位はカナダドルとなっています。NZドルと豪ドルが上位3位に入る取引量となっている事に驚きましたが、NZドルが1位であることに非常に驚きました。私は通常、チャートを観察する際には、ポンド円、ユーロ円、豪ドル円、NZドル円、カナダドル円、スイスフラン円を中心として、チャートを観察していますが、NZドルの取引に関しても、対円の取引量を見て、NZドルに対して改めて注目している次第です。皆様にも、観察することと是非、お勧めしたい通貨の一つです。
報道の重要性とテクニカル
FXを始める時に、皆様はまず、指標発表については、指標発表の結果が報じられてから、相場がその指標発表結果に反応して動き出すと学ばれたのではないかと思います。指標発表で重要なものは、FOMC、雇用統計、政策金利、失業率、GDP、消費者物価指数、製造業サービス業PMIなど沢山の種類が主要国分あり、全部で60以上の指標発表が毎月行われています。しかし、今年は、指標発表結果よりも、イギリスのEU離脱に関する報道や、トランプ大統領の米中貿易協議に関する発言が報じられると、重要指標発表の結果が報じられても、指標発表結果には反応せず、報道内容を重視して相場は動いていました。
例えば、英国下院総選挙を控えた11月25日に英国の複数の調査会社による世論調査で、ジョンソン首相の率いる保守党の支持率が50%近くまで上昇したと報じられ、相場全体がリスク選好な状態となり、ポンド円が大きく上昇しました。
また、同日に、雲行きの怪しかった米中貿易協議に関して、中国の環球時報(「人民日報」系列紙)が「中国と米国が第1段階の合意が非常に近い(very close)」と報道して以来、リスク選好の動きとなりました。
このように、相場は、報道が大きく動かすことが非常に多いです。このことを意識して、2020年は、出来るだけたくさんの方に、報道の分析力を身に着けて頂きたいと思います。
大きな利益を獲得するチャンスが一層増えるのではないかと思います。
相場が動く時間帯がサラリーマンの方に有利になってきている
私がトレードを始めた時から、FX相場といえば、「欧州時間からが一番よく動く」と言われていました。しかし今年は、NY時間にわかりやすく動く事が多かった印象があります。これは、EU離脱関連や、米中貿易問題の急な報道が、NY時間に報じられることが多かったためでもあります。これらの傾向は2020年も同じではないかと思いますので、お仕事から帰宅した19時以降から24時位までがチャートを観察できる時間のサラリーマンの方にも、相場が動く時にトレード出来るチャンスが多くあるのではないかと思います。
円が動く時には、相場がトレードしやすい分かり易い動きになる
2019年は、リスク回避・リスク選好の動きのうち、リスク回避の動きが多い1年でした。市場の中心であるNY時間のNYダウや日経225の動きは、相場全体のリスク回避やリスク選好の意向が反映されやすくなっています。リスク回避、リスク選好がはっきりとしている相場は、トレードしやすいですので、是非、NYダウや日経225の動きも観察されて下さい。
リスク回避やリスク選好の動きがはっきりしていることを見分けるもう一つの材料は、安全資産である円が売られているか、円が買われているかでも簡単に判断できます。円が買われている場合は、リスク回避の動きとなります。リスク回避の時にはNYダウや日経225が売られます。円が売られている場合は、リスク選好の動きとなります。リスク選好の時にはNYダウや日経225が買われます。
これらの知識は、トレードをするうえで強気のトレードが出来る材料となりますので、是非参考にされて下さい。
トレードを学ぶ方々との関りが深かった2019年
2019年は、私自身としましては、自社でのスクールやコンサルティングを開始し、学ぶ方と直接かかわる事が非常に多い1年でした。沢山の方にご指導していった中で感じたことは、結果が出るのが早い人は、チャートを観察する時間が長いということです。
トレードの結果は、チャートを観察する時間に比例します。
チャートは勝手に動いていますので、その動きに対して、テクニカルや報道などの要因で大きく動くパターンは、毎回全く同じではありません。相場が大きく動く時の動きのパターンを如何に数多く覚えているかで、トレーダーの中でも、利益が取れる回数には違いが出てきます。
逆に、相場が動いていない時の対応は、相場が動いているパターンよりも難しいので、トレードする個人個人で、どうしても違いが出やすいです。相場が動かない中で、「動いていない時には如何に手を出さないか」でトレードの結果が全く違ってくるわけですが、その相場が動いていない場合のパターンを出来るだけ多く覚え、同じようなパターンの動きの時には、手を出さないようにするしか対処法はありませんので、チャートを観察する時間が短い方は、チャートを観察する時間が長い方とはどうしても実力に差が出てきてしまいます。その差を埋めるためには、チャートを観察する時間を増やすしかありません。
これは、学ぶ方とのやり取りが増えて初めて実感したことになります。
FXのトレードは決して簡単な投資ではありません。勝手に動くチャートを相手にしてるということは、如何に鍛錬が必要か。チャートの動きのパターンを出来るだけ多く覚え、それを生かすことが出来るのは、自分自身です。トレードは、最終的には自分自身との戦いとなる事を、是非、多くの方に知って頂きたいと思います。
今回の内容が皆様のお役に立つことが出来ましたら、私としましても大変有難い事です。
染谷えつこ為替研究所株式会社 代表取締役 染谷エツ子
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※2019年12月27日17時に執筆
取引が多かった豪ドルやポンド
早いもので、2019年も年末となってしまいました。今年の相場の大きな材料といえば、米中貿易協議とイギリスのEU離脱でした。これらの報道がされる度に、ポンドが動き、豪ドルが動きと、一旦動き出せば、トレーダー冥利に尽きる動きとなってくれました。
ここで、「米中貿易問題で何故豪ドルが動くのだろう。」と思われる方のために、改めて、解説させて頂きたいと思います。
豪ドルは、中国の代替通貨と呼ばれています。中国との経済的結びつきが強いため、そのように位置づけられていますが、相場の動きとしてどのように動くかと言いますと、中国の株価である、中国A50株価指数が大きく下がれば、元が売られてドル元が上昇し、豪ドルが売られます。中国の株価である、中国A50株価指数が大きく上昇すれば、元が買われてドル元が下降し、豪ドルが買われます。豪ドルと、中国の元や中国A50株価指数の動きが示す、リスク回避の動きや、リスク選好の動きは方向性が殆ど一致しています。ですから、米中貿易問題での報道がされた場合に、取引通貨はまずは豪ドルに注目していました。豪ドルを取引する場合に、中国の株価である、中国A50株価指数やドル元を観察することで、動きの予想が非常に立てやすかったです。今年は、これらの材料をもとに、豪ドルでの利益が非常に多かったように思います。
オセアニア通貨と言えば、豪ドルともう一つ、NZドルがあります。この、NZドルに関しても、チャートを毎日観察する上で感じたことは、「NZドルはよく動く」ということです。
トレーダーズウェブ社が提供する月初来G10通貨騰落(対円)の12月4日のデータによると、円に対する取引量で、1位がNZドル、2位がスイスフラン、3位が豪ドル、4位はユーロ、5位はデンマーククローネ、6位はポンド、7位はノルウエ?クローネ、8位はスウェーデンクローナ、9位はドル、10位はカナダドルとなっています。NZドルと豪ドルが上位3位に入る取引量となっている事に驚きましたが、NZドルが1位であることに非常に驚きました。私は通常、チャートを観察する際には、ポンド円、ユーロ円、豪ドル円、NZドル円、カナダドル円、スイスフラン円を中心として、チャートを観察していますが、NZドルの取引に関しても、対円の取引量を見て、NZドルに対して改めて注目している次第です。皆様にも、観察することと是非、お勧めしたい通貨の一つです。
報道の重要性とテクニカル
FXを始める時に、皆様はまず、指標発表については、指標発表の結果が報じられてから、相場がその指標発表結果に反応して動き出すと学ばれたのではないかと思います。指標発表で重要なものは、FOMC、雇用統計、政策金利、失業率、GDP、消費者物価指数、製造業サービス業PMIなど沢山の種類が主要国分あり、全部で60以上の指標発表が毎月行われています。しかし、今年は、指標発表結果よりも、イギリスのEU離脱に関する報道や、トランプ大統領の米中貿易協議に関する発言が報じられると、重要指標発表の結果が報じられても、指標発表結果には反応せず、報道内容を重視して相場は動いていました。
例えば、英国下院総選挙を控えた11月25日に英国の複数の調査会社による世論調査で、ジョンソン首相の率いる保守党の支持率が50%近くまで上昇したと報じられ、相場全体がリスク選好な状態となり、ポンド円が大きく上昇しました。
また、同日に、雲行きの怪しかった米中貿易協議に関して、中国の環球時報(「人民日報」系列紙)が「中国と米国が第1段階の合意が非常に近い(very close)」と報道して以来、リスク選好の動きとなりました。
このように、相場は、報道が大きく動かすことが非常に多いです。このことを意識して、2020年は、出来るだけたくさんの方に、報道の分析力を身に着けて頂きたいと思います。
大きな利益を獲得するチャンスが一層増えるのではないかと思います。
相場が動く時間帯がサラリーマンの方に有利になってきている
私がトレードを始めた時から、FX相場といえば、「欧州時間からが一番よく動く」と言われていました。しかし今年は、NY時間にわかりやすく動く事が多かった印象があります。これは、EU離脱関連や、米中貿易問題の急な報道が、NY時間に報じられることが多かったためでもあります。これらの傾向は2020年も同じではないかと思いますので、お仕事から帰宅した19時以降から24時位までがチャートを観察できる時間のサラリーマンの方にも、相場が動く時にトレード出来るチャンスが多くあるのではないかと思います。
円が動く時には、相場がトレードしやすい分かり易い動きになる
2019年は、リスク回避・リスク選好の動きのうち、リスク回避の動きが多い1年でした。市場の中心であるNY時間のNYダウや日経225の動きは、相場全体のリスク回避やリスク選好の意向が反映されやすくなっています。リスク回避、リスク選好がはっきりとしている相場は、トレードしやすいですので、是非、NYダウや日経225の動きも観察されて下さい。
リスク回避やリスク選好の動きがはっきりしていることを見分けるもう一つの材料は、安全資産である円が売られているか、円が買われているかでも簡単に判断できます。円が買われている場合は、リスク回避の動きとなります。リスク回避の時にはNYダウや日経225が売られます。円が売られている場合は、リスク選好の動きとなります。リスク選好の時にはNYダウや日経225が買われます。
これらの知識は、トレードをするうえで強気のトレードが出来る材料となりますので、是非参考にされて下さい。
トレードを学ぶ方々との関りが深かった2019年
2019年は、私自身としましては、自社でのスクールやコンサルティングを開始し、学ぶ方と直接かかわる事が非常に多い1年でした。沢山の方にご指導していった中で感じたことは、結果が出るのが早い人は、チャートを観察する時間が長いということです。
トレードの結果は、チャートを観察する時間に比例します。
チャートは勝手に動いていますので、その動きに対して、テクニカルや報道などの要因で大きく動くパターンは、毎回全く同じではありません。相場が大きく動く時の動きのパターンを如何に数多く覚えているかで、トレーダーの中でも、利益が取れる回数には違いが出てきます。
逆に、相場が動いていない時の対応は、相場が動いているパターンよりも難しいので、トレードする個人個人で、どうしても違いが出やすいです。相場が動かない中で、「動いていない時には如何に手を出さないか」でトレードの結果が全く違ってくるわけですが、その相場が動いていない場合のパターンを出来るだけ多く覚え、同じようなパターンの動きの時には、手を出さないようにするしか対処法はありませんので、チャートを観察する時間が短い方は、チャートを観察する時間が長い方とはどうしても実力に差が出てきてしまいます。その差を埋めるためには、チャートを観察する時間を増やすしかありません。
これは、学ぶ方とのやり取りが増えて初めて実感したことになります。
FXのトレードは決して簡単な投資ではありません。勝手に動くチャートを相手にしてるということは、如何に鍛錬が必要か。チャートの動きのパターンを出来るだけ多く覚え、それを生かすことが出来るのは、自分自身です。トレードは、最終的には自分自身との戦いとなる事を、是非、多くの方に知って頂きたいと思います。
今回の内容が皆様のお役に立つことが出来ましたら、私としましても大変有難い事です。
染谷えつこ為替研究所株式会社 代表取締役 染谷エツ子
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