テックファーム Research Memo(5):情報インフラ大手との提携で新規ビジネスを獲得
[14/04/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略と経営課題
今後の成長戦略において、国内では大手情報インフラ企業との業務提携を通じた新規ビジネスの獲得、海外では米国カジノ市場における電子マネー決済システム事業の展開が注目される。また、安定的な収益を得られる運用保守事業の売上構成比を引き上げることで、成長性と安定性を兼ね備えた収益体質を構築する方針だ。
(1)大手通信インフラ企業との業務提携
テックファーム<3625>は2013年秋以降、TOKAIホールディングス<3167>子会社のTOKAICOM、ブラザー工業<6448>の子会社であるエクシングと相次いで資本業務提携を結んだほか、年明けにはミライト・ホールディングス<1417>傘下のミライトとも業務提携を発表した。これにより、同社の株主構成はTOKAI COMが出資比率10.00%で筆頭株主となり、エクシングが5.02%、ミライトが3.13%となっている。これら資本業務提携の背景には、BtoC、BtoB分野における顧客獲得に際して、急成長するモバイル分野でのシステム開発力が差別化を図る要件となっていることが挙げられる。
その意味において、モバイル分野におけるシステム開発力で国内でもトップクラスの知見を持つ同社に対し、出資企業からの期待も大きいと言えよう。一連の提携を通じて新規受注も獲得し始めており、今後の売上拡大が期待される。以下、提携先別の取り組みについて紹介する。
○TOKAIグループ
TOKAI COMは、TOKAIグループにおいて情報通信サービス事業を担当する。静岡県や関東エリアを中心にブロードバンド事業、キャリアサービス事業、システムインテグレーション事業、データセンター事業などを展開している。
TOKAI COMとの資本業務提携によって、2つのビジネスチャンスが見込まれる。1つ目は、TOKAI COMの法人向けサービスにおいて、テックファームが得意とするモバイル領域における技術開発力を組み合わせることで、複合的なITソリューションを展開し、受注拡大につなげることが可能となる。既に顧客開拓など営業面での協業が進み、新規受注もいくつか獲得したもようだ。
2つ目は、TOKAIグループのコンシューマ向け事業(LPガス、通信、CATV放送、宅配水など)において、テックファームが持つ先進的なモバイル技術を活用したサービスの開発・提供が可能となる。スマートフォンやタブレット端末などを活用した顧客サービスの向上を図ることで、TOKAIグループはグループ内顧客におけるクロスセルを強化していく方針。
TOKAIグループとの協業が順調にいけば、来期にはNTTドコモに次ぐ2番目の主要顧客に成長する見通しだ。
○エクシング
通信カラオケシステム「JOYSOUND」を展開するエクシングとは、会員の拡大並びに集客アップを進めていくうえで、顧客満足度の向上につながる新たなサービスの共同開発やシステム構築支援を行っていく。具体的には、スマートフォンの専用アプリで会員がログインすると今まで歌った曲目など様々なデータが閲覧できるようにするほか、カラオケの様子を友人と共有できるようにする等のサービスを導入、またO2Oによる集客力向上施策なども打てるようにしていく。エクシングにとっては、カラオケ人口の伸び悩みが続くなかで、今後開発する新サービスの導入によって需要の活性化を図っていきたい考えだ。
エクシング向けの売上高に関しては、従来の年間100百万円前後の水準から、資本業務提携により取引規模が拡大すると見込んでいる。
○ミライト
情報システム構築のミライトとは、客室設置型のホテル宿泊者向け情報提供サービス「ee-TaB*(イータブ・プラス)」を共同開発し、2014年1月よりホテル事業者向けに販売を開始している。テックファームのシステム開発力、コンテンツ企画力とミライトの通信インフラ構築力、設備機器の調達力を融合してサービスを展開している。
同サービスは、客室に設置したタブレット端末を用いて、館内施設や周辺の観光スポット、グルメ情報などを宿泊客に提供するもの。このほか、ビデオやゲーム、電子書籍など有料コンテンツ配信についても、ホテルごとにカスタマイズが可能なシステムとなっている。また、団体客においては集合時間や待ち合わせ場所の変更時に、タブレット端末を使って参加客に周知するといった使い方もでき、ホテルにおける顧客サービス向上につながるシステムとして注目されている。
特に、2020年の東京オリンピック開催に向け外国人客の増加が見込まれるなかで、英語、中国語、韓国語などにも対応済みであり(対応言語は拡大予定)、潜在需要は大きいとみられる。
販売エリアは、東名阪より順次拡大予定で、部屋数200室以上のホテルを中心に展開し、初年度で1万室、3年後に5万室の導入を目指している。テックファームの収入としては、月額基本料金と広告収入、有料コンテンツ収入から一定割合を徴収する形となる。収益への本格貢献は先となるが、ストック型のビジネスモデルとなるため、将来的に安定収益源の1つに育つものとして注目される。早ければ今年5月頃にも初導入が決まる見込みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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今後の成長戦略において、国内では大手情報インフラ企業との業務提携を通じた新規ビジネスの獲得、海外では米国カジノ市場における電子マネー決済システム事業の展開が注目される。また、安定的な収益を得られる運用保守事業の売上構成比を引き上げることで、成長性と安定性を兼ね備えた収益体質を構築する方針だ。
(1)大手通信インフラ企業との業務提携
テックファーム<3625>は2013年秋以降、TOKAIホールディングス<3167>子会社のTOKAICOM、ブラザー工業<6448>の子会社であるエクシングと相次いで資本業務提携を結んだほか、年明けにはミライト・ホールディングス<1417>傘下のミライトとも業務提携を発表した。これにより、同社の株主構成はTOKAI COMが出資比率10.00%で筆頭株主となり、エクシングが5.02%、ミライトが3.13%となっている。これら資本業務提携の背景には、BtoC、BtoB分野における顧客獲得に際して、急成長するモバイル分野でのシステム開発力が差別化を図る要件となっていることが挙げられる。
その意味において、モバイル分野におけるシステム開発力で国内でもトップクラスの知見を持つ同社に対し、出資企業からの期待も大きいと言えよう。一連の提携を通じて新規受注も獲得し始めており、今後の売上拡大が期待される。以下、提携先別の取り組みについて紹介する。
○TOKAIグループ
TOKAI COMは、TOKAIグループにおいて情報通信サービス事業を担当する。静岡県や関東エリアを中心にブロードバンド事業、キャリアサービス事業、システムインテグレーション事業、データセンター事業などを展開している。
TOKAI COMとの資本業務提携によって、2つのビジネスチャンスが見込まれる。1つ目は、TOKAI COMの法人向けサービスにおいて、テックファームが得意とするモバイル領域における技術開発力を組み合わせることで、複合的なITソリューションを展開し、受注拡大につなげることが可能となる。既に顧客開拓など営業面での協業が進み、新規受注もいくつか獲得したもようだ。
2つ目は、TOKAIグループのコンシューマ向け事業(LPガス、通信、CATV放送、宅配水など)において、テックファームが持つ先進的なモバイル技術を活用したサービスの開発・提供が可能となる。スマートフォンやタブレット端末などを活用した顧客サービスの向上を図ることで、TOKAIグループはグループ内顧客におけるクロスセルを強化していく方針。
TOKAIグループとの協業が順調にいけば、来期にはNTTドコモに次ぐ2番目の主要顧客に成長する見通しだ。
○エクシング
通信カラオケシステム「JOYSOUND」を展開するエクシングとは、会員の拡大並びに集客アップを進めていくうえで、顧客満足度の向上につながる新たなサービスの共同開発やシステム構築支援を行っていく。具体的には、スマートフォンの専用アプリで会員がログインすると今まで歌った曲目など様々なデータが閲覧できるようにするほか、カラオケの様子を友人と共有できるようにする等のサービスを導入、またO2Oによる集客力向上施策なども打てるようにしていく。エクシングにとっては、カラオケ人口の伸び悩みが続くなかで、今後開発する新サービスの導入によって需要の活性化を図っていきたい考えだ。
エクシング向けの売上高に関しては、従来の年間100百万円前後の水準から、資本業務提携により取引規模が拡大すると見込んでいる。
○ミライト
情報システム構築のミライトとは、客室設置型のホテル宿泊者向け情報提供サービス「ee-TaB*(イータブ・プラス)」を共同開発し、2014年1月よりホテル事業者向けに販売を開始している。テックファームのシステム開発力、コンテンツ企画力とミライトの通信インフラ構築力、設備機器の調達力を融合してサービスを展開している。
同サービスは、客室に設置したタブレット端末を用いて、館内施設や周辺の観光スポット、グルメ情報などを宿泊客に提供するもの。このほか、ビデオやゲーム、電子書籍など有料コンテンツ配信についても、ホテルごとにカスタマイズが可能なシステムとなっている。また、団体客においては集合時間や待ち合わせ場所の変更時に、タブレット端末を使って参加客に周知するといった使い方もでき、ホテルにおける顧客サービス向上につながるシステムとして注目されている。
特に、2020年の東京オリンピック開催に向け外国人客の増加が見込まれるなかで、英語、中国語、韓国語などにも対応済みであり(対応言語は拡大予定)、潜在需要は大きいとみられる。
販売エリアは、東名阪より順次拡大予定で、部屋数200室以上のホテルを中心に展開し、初年度で1万室、3年後に5万室の導入を目指している。テックファームの収入としては、月額基本料金と広告収入、有料コンテンツ収入から一定割合を徴収する形となる。収益への本格貢献は先となるが、ストック型のビジネスモデルとなるため、将来的に安定収益源の1つに育つものとして注目される。早ければ今年5月頃にも初導入が決まる見込みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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