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テクマトリックス Research Memo(1):構造改革でストックビジネスへの転換へ

注目トピックス 日本株

テクマトリックス<3762>は、総合商社ニチメン(現双日<2768>)の情報通信部門が分離、独立したITサービス企業である。今年の8月30日に創業30周年を迎える。事業は企業の情報システム基盤の構築から保守、運用・監視サービスまで一貫して提供する「情報基盤事業」と、特定市場・特定業務向けに課題解決のためのアプリケーション・サービスを提供する「アプリケーション・サービス事業」の2つのセグメントで構成されている。

商社から分離した企業らしく、世界中から優れた商品を発掘する「目利き力」、それを日本市場向けカスタマイズする「マーケティング力」、現場の社員が現場で取得した「技術力」や「業務知識」を会社の“資産”として蓄積している。同社の特徴は、これら資産を活かして、事業領域を絞り込んで強みを発揮している点にある。

同社は現在、抜本的な事業構造改革に着手しており、同社の現状の把握と将来像の予測をするためには、これら特徴をもとに各セグメントを分析するだけで十分といえない。具体的には、事業横断的に「クラウド関連事業の推進」と「セキュリティ&セイフティの追求」の2つの事業戦略を改革の柱に据えている。システムやソフトウェアを売り切りで収益を上げるフロービジネス(非ストックビジネス)から、長期にわたるサービス提供による課金収入で収益を上げるストックビジネスへの戦略的転換が推進されている。

当該構造改革は現在、着実に進んでいるといえる。5月9日に発表された2014年3月期の連結決算も、それが反映される結果となった。同社によれば、構造改革の進展により、2015年3月期が利益でボトムになり、2016年3月期からは収益が大幅に伸びることが予想されている。また、遅くとも2017年3月期には売上高20,000百万円、営業利益率9%程度が視野に入ると見られる。


★Check Point

・情報基盤事業において「目利き力」「マーケティング力」を発揮
・クラウド推進で業務範囲を横展開して拡大することも可能
・来期以降はマイナス要因の解消で売上高が急上昇する可能性


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)



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