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ウィルグループ Research Memo(7):成長戦略と新分野への事業拡大で2020年3月期は売上高1,000億円目

注目トピックス 日本株

■2015年3月期の業績予想

(1)概要

ウィルグループ<6089>の2015年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比22.8%増の32,916百万円、営業利益が同12.6%増の909百万円、経常利益が同18.1%増の914百万円、当期純利益が同34.2%増の515百万円となっている。

売上高の拡大によって、利益も増加するというのが見通しの基本である。その売上高に関しては、セールスアウトソーシング事業が前期比19.2%増の13,312百万円、コールセンターアウトソーシング事業が同24.1%増の8,657百万円、ファクトリーアウトソーシング事業が同16.7%増の7,337百万円、その他事業が同52.8%増の3,608百万円となっている。

売上高の伸びの要因に関しては、派遣・請負単価こそ変化がない予想となっているものの、受注量が増加するとみている。増加が見込めるセグメントや業種は、2014年3月期と同様である。増加すると見る根拠は、足元において潜在需要が多い。連結売上高を前期比で30%程度伸ばすことも可能なほど、オファーがある状況になっている。また、この他、ファクトリーアウトソーシング事業においては、請負で昨年10月に新規顧客を獲得できた分が通期で寄与する。

ただ、売上高の伸びを22.8%としたのには理由がある。潜在需要のオファーをすべて受けた場合、新規の派遣スタッフの確保が費用増の要因となり、利益の押し下げ要因となってしまう可能性があるためだ。また、新規スタッフの確保を進めながら利益を確保しようとした場合、年度末となる2015年1〜3月にかけて行う次年度のためのスタッフ確保に資金が回せなくなる恐れがあり、2016年3月期以降の事業停滞の恐れも出てくる。

したがって、2015年3月期の売上高予想の伸び率は、これらの要因すべてを斟酌したうえで、利益を上げながら16年3月期以降も引き続き事業拡大が図れるようなレベルに抑えていると考えられる。ただ、裏を返せば新規に確保したスタッフの教育がうまく進み、既存のスタッフを含めて定着率が上がれば、案件の受注拡大余地がまだあるということであり、その場合には業績の上方修正の可能性もあるといえる。

なお、売上高営業利益率が前期比0.2ポイント減少の2.8%になる予想となっているが、これは、その他事業の投資を拡大させることが理由である。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)



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