SDエンター Research Memo(4):外部コンサルタントを招き、安定的な運営を図る
[16/10/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■SDエンターテイメント<4650>の事業部門別動向
(2) GAME事業
a)事業の概況
GAME事業における動きとして、店舗(ディノスパーク)のスクラップ・アンド・ビルドの進捗がまず挙げられる。今第1四半期中ということでは高知・四万十川店の閉鎖(5月)があるが、2015年9月に愛知・守山店を閉鎖したほか、今年7月(第2四半期)に入ってからは香川・丸亀VASARA店も閉鎖した。他方、新規出店では函館・上磯店を2015年12月にオープンしたのに続き、2016年5月には帯広音更店をオープンした。
音更店の今第1四半期の実績は、売上高が計画対比で180%、営業利益が同500%と、非常に好調だった。周囲に競合店がなく、また若年層を引き付ける他の商業施設が乏しいなど、一言で言えば立地に恵まれたことが要因と考えられる。同社では、立地によってはGAME事業の新規店舗展開の可能性があることについて、一段と確信を深めた模様で、次の店舗展開用地を探索中だ。
各店舗の運営については、ゲーム機種による好不調の差が大きい状況が続いている。メダルゲームやクレーンゲームなどのプライズゲームは既存店売上高が前年同期比104%と好調が続いている。こうした中、同社は外部コンサルタントに依頼してクレーンゲームやメダルゲームの運営力の更なる向上を目論んでおり、合わせて設置機種や店舗内のレイアウトなどの見直しを行った。その効果は明確に出ており、全店舗に適用していく方針だ。
トピックスとしては、「艦これアーケード」の登場がある。SNSゲーム「艦隊これくしょん-艦これ-」をアーケードゲーム化したもので、久しぶりに行列ができるヒット作となっている。同社は一部店舗で早朝営業にも踏み切っているが、艦これは早朝の時間帯でも行列ができており、早朝営業の成功に貢献している。また艦これには女性ファンも多いため、女性客の取り込みにもつながっている。艦これの映画が年末シーズンに予定されていることから、ゲーム市場でも息の長いヒットが期待されている。
成長が期待されるネットキャッチャー(スマホ等を利用したオンラインのクレーンゲーム)は、足元は伸びが止まっている状況だ。現時点の月商規模は計画線だが、計画では右肩上がりの線となっているため、このまま横ばいが続けば今後は計画を下回っていくことになる。原因は明確で、新規参入の増加によるもの。
対策については、ゲーム専用景品中心の運営から、北海道企業の強みを生かした商品群強化や、オリジナル景品の開発など、独自性を高めることにより当初計画を目指す考えだ。
b)業績動向
GAME事業の今第1四半期の売上高は前年同期比1.8%減の540百万円となった。プライズゲームの好調や艦これというヒット作、あるいは音更店、上磯店の好調というポジティブ要因はあったものの、店舗閉鎖の影響や、ゲーム業界全体の低迷の影響が強く、売上高は減少基調が続いている。計画に対しても下回ったもようだ。
ゲーム市場はマクロ的には右肩下がりが続いているが、これには少子化やスマホの登場など構造的要因が影響していると考えられるため、影響をはねのけて成長するのは容易ではない。そうした中、同社は、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを進めたほか、店舗改装やコンサルタントの活用などの施策を行ってきた。各店舗の体質は着実に強化されてきており、売上高が下げ止まれば、利益は確実についてくると弊社では考えている。
問題は売上高をどのように確保するかだが、同社は、上磯店や音更店の成功事例から、立地を重視したスクラップ・アンド・ビルドで、“稼げる店舗”の構成比を高めていく方針だ。また同時に、新規出店に際しては、見込み違いの際にはすぐに閉店を含めた方針転換が可能な形での出店を行っている。弊社はこうした同社の戦略は、総需要減少というゲーム業界にあっては、有効な施策であると評価している。
ネットキャッチャーは不動産コストを極めて低廉に抑えることができ、既存のゲーム上運営とは収益モデルがまったくことなるため、GAME事業における成長戦略として期待されている。しかしながら今期は前述のような競合環境の変化があるため、過度な期待はできない状況にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(2) GAME事業
a)事業の概況
GAME事業における動きとして、店舗(ディノスパーク)のスクラップ・アンド・ビルドの進捗がまず挙げられる。今第1四半期中ということでは高知・四万十川店の閉鎖(5月)があるが、2015年9月に愛知・守山店を閉鎖したほか、今年7月(第2四半期)に入ってからは香川・丸亀VASARA店も閉鎖した。他方、新規出店では函館・上磯店を2015年12月にオープンしたのに続き、2016年5月には帯広音更店をオープンした。
音更店の今第1四半期の実績は、売上高が計画対比で180%、営業利益が同500%と、非常に好調だった。周囲に競合店がなく、また若年層を引き付ける他の商業施設が乏しいなど、一言で言えば立地に恵まれたことが要因と考えられる。同社では、立地によってはGAME事業の新規店舗展開の可能性があることについて、一段と確信を深めた模様で、次の店舗展開用地を探索中だ。
各店舗の運営については、ゲーム機種による好不調の差が大きい状況が続いている。メダルゲームやクレーンゲームなどのプライズゲームは既存店売上高が前年同期比104%と好調が続いている。こうした中、同社は外部コンサルタントに依頼してクレーンゲームやメダルゲームの運営力の更なる向上を目論んでおり、合わせて設置機種や店舗内のレイアウトなどの見直しを行った。その効果は明確に出ており、全店舗に適用していく方針だ。
トピックスとしては、「艦これアーケード」の登場がある。SNSゲーム「艦隊これくしょん-艦これ-」をアーケードゲーム化したもので、久しぶりに行列ができるヒット作となっている。同社は一部店舗で早朝営業にも踏み切っているが、艦これは早朝の時間帯でも行列ができており、早朝営業の成功に貢献している。また艦これには女性ファンも多いため、女性客の取り込みにもつながっている。艦これの映画が年末シーズンに予定されていることから、ゲーム市場でも息の長いヒットが期待されている。
成長が期待されるネットキャッチャー(スマホ等を利用したオンラインのクレーンゲーム)は、足元は伸びが止まっている状況だ。現時点の月商規模は計画線だが、計画では右肩上がりの線となっているため、このまま横ばいが続けば今後は計画を下回っていくことになる。原因は明確で、新規参入の増加によるもの。
対策については、ゲーム専用景品中心の運営から、北海道企業の強みを生かした商品群強化や、オリジナル景品の開発など、独自性を高めることにより当初計画を目指す考えだ。
b)業績動向
GAME事業の今第1四半期の売上高は前年同期比1.8%減の540百万円となった。プライズゲームの好調や艦これというヒット作、あるいは音更店、上磯店の好調というポジティブ要因はあったものの、店舗閉鎖の影響や、ゲーム業界全体の低迷の影響が強く、売上高は減少基調が続いている。計画に対しても下回ったもようだ。
ゲーム市場はマクロ的には右肩下がりが続いているが、これには少子化やスマホの登場など構造的要因が影響していると考えられるため、影響をはねのけて成長するのは容易ではない。そうした中、同社は、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを進めたほか、店舗改装やコンサルタントの活用などの施策を行ってきた。各店舗の体質は着実に強化されてきており、売上高が下げ止まれば、利益は確実についてくると弊社では考えている。
問題は売上高をどのように確保するかだが、同社は、上磯店や音更店の成功事例から、立地を重視したスクラップ・アンド・ビルドで、“稼げる店舗”の構成比を高めていく方針だ。また同時に、新規出店に際しては、見込み違いの際にはすぐに閉店を含めた方針転換が可能な形での出店を行っている。弊社はこうした同社の戦略は、総需要減少というゲーム業界にあっては、有効な施策であると評価している。
ネットキャッチャーは不動産コストを極めて低廉に抑えることができ、既存のゲーム上運営とは収益モデルがまったくことなるため、GAME事業における成長戦略として期待されている。しかしながら今期は前述のような競合環境の変化があるため、過度な期待はできない状況にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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