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ソルクシーズ Research Memo(4):FinTech、IoT、自動運転、AI分野等を重点戦略分野に積極展開

注目トピックス 日本株
■注力分野の動向

ソルクシーズ<4284>は今後の成長戦略として、FinTech、IoT、クラウドサービス、自動運転、AIの5分野を重点分野と位置付け、積極的に事業展開に取り組んでいる。

1. FinTech
FinTech分野ではSBIグループで進めているブロックチェーン技術を活用した新たな金融システムの開発プロジェクトの受注獲得を目指している。SBIグループでは地方金融機関等と共同でブロックチェーン技術を使った国内外為替送金システムの実証実験を進めているが、証券業界向けでのブロックチェーン技術の導入検討も進めており、同分野での受注獲得を目指している。

また、2018年7月に資本業務提携を発表したベンチャー企業のジーフィット向けにFXのシステムトレード用アプリケーション運用サービス「シストレクラウド」の開発支援も行っていく。「シストレクラウド」は、顧客が利用するシステムトレード用アプリケーションを顧客に代わって導入・設定・保守・運用するサービスで、簡単にFXのシステムトレードが始められるサービスとして注目を集めつつある。今回、ジーフィットに対して3.8%の出資を行い、今後、両社で「シストレクラウド」の機能強化に向けた開発を進めていくほか、FX取引所向けのシステム開発などにも展開していく。また、将来的にはFX以外の商品向け「シストレクラウド」を共同開発していく可能性もあり、今後の展開が注目される。

2. IoT
IoT分野ではイー・アイ・ソルが「IoT/予知保全システム」の提供を2018年7月より開始したことを発表している。製造ラインにおける工作機械等の異常をIoT技術で事前に予知保全することを可能としたソリューションシステムとなる。生産設備の状態を音/振動/電流等の各種データを計測し、収集・解析することで異常時の判定をコンピュータ上で行うシステムとなる。計測デバイスはNational Instrumentsの「CompactRIO」を、上位管理ソフトにはBoschの「Production Performance Manager(PPM)」を用い、同社の組込ソリューション技術を組み合わせることで、顧客ごとに最適なIoTシステムを提供していくこととなる。現状は製造事業者の国内工場1拠点への導入にとどまっているが、今後、他の国内工場への横展開並びに、取引先企業への受注獲得を目指して行く。

また、高齢者向け見守り支援システム「いまイルモ」については、各自治体からの問い合わせが増えてきているが、収益貢献するまでにはまだ時間がかかりそうだ。現在は、顧客ニーズを聞きながら各種機能の拡充を進めており、商品力を高めている段階にある。

3. クラウドサービス
クラウドサービスについては、企業向けオンラインストレージサービスとなる「Fleekdrive」(クラウド型ファイル共有サービス)、「Fleekform」(クラウド帳票サービス)の拡販に取り組んでいる。契約社数は当第3四半期末で約250社(前期末比約50社増)と着実に拡大している。2018年12月期末目標の300社には若干届かない可能性があるが、今後は海外市場の開拓により成長が加速していく可能性が出てきている。

資本業務提携先である豊田通商<8015>のシンガポール子会社と販売代理店契約を締結し、ASEANを始めとする欧米等の取引先に向けて、「Fleekdrive」シリーズの拡販を進めていく計画となっている。2018年10月にはベトナムで初めて現地のリゾート開発企業との契約も決まるなど、営業強化の成果も出始めており、今後の成長が期待される。なお、競合サービスとしては、米Boxの「Box」がある。「Fleekdrive」シリーズの優位点としては、帳票機能サービスと組み合わせて利用できることや、共同編集作業を最大5人同時で行うことが可能な点が挙げられる。

今後は企業の業務効率向上に寄与するアプリケーション機能の開発・提供をアライアンスも含めて拡充していく計画となっており、同社では同事業が軌道に乗った段階で分社化し、将来的に株式上場を目指していくことにしている。

4. 自動運転
自動運転等の次世代車載システム分野では、豊田通商と資本業務提携を締結したこともあり、今後はエクスモーションを始めとした同社グループとトヨタグループ(トヨタ自動車<7203>)との取引拡大が進むものと予想される。自動運転技術に関しては自動車分野以外にも農業機械や建設機械での開発コンサルティング需要も旺盛だが、現在は、自動車業界向けの需要に対応するだけで手一杯となっており、コンサルタントの人員増強を進めていく方針となっている。なお、エクスモーションにおけるコンサルタント人員は前期末の25名から直近は約50名まで増加している。今後も高品質なサービスを提供していくため、当面は新たに加わったコンサルタントの育成に注力して行く方針となっている。

5. AI
AI分野では2017年6月にアックスの株式を14%取得し、協業を進めている。アックスは自動運転用基本OSである「Autoware」の開発サポートやコンサルティング、自動運転等に必要となるAI技術の開発を手掛けるベンチャー企業。協業の取り組みとしては、2018年3月よりコメリ<8218>グループのシステム開発会社である(株)ビット・エイに対して、AI技術をビジネス活用することを目的とした勉強会を共同で実施した。今後はAI技術を活用して、経営効率の向上に寄与するシステムの開発につなげていく。ビット・エイは同社の第2位株主で、かつ主要顧客の1社であるだけに今後、開発プロジェクトが立ち上がれば受注獲得が期待される。

また、「Fleekdrive」シリーズについてもアックスのAI技術を活用した新機能の開発を今後進めていくことを検討している。ワークフローの自動生成や「Fleekform」の各種フォームの自動判定・編集業務にAI技術を活用し、業務効率の大幅な向上を目指していく。

そのほか、2018年10月にはRPA市場のリーディングカンパニーであるUiPath(ユーアイパス)の日本法人、UiPath(株)と「開発リソース・パートナー・プログラム」※を締結したことを発表、今後、「UiPath」の導入企業に対して技術面でのサポートサービスを提供していく予定にしている。

※国内での「UiPath」の急成長を背景に、UiPathでは導入サポートを行うパートナー(認定リセラー)とは別に、新たに技術面のサポートを目的とした「開発リソース・パートナー・プログラム」制度を導入、32社がパートナーとして契約している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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