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サイバリンクス Research Memo(5):2019年12月期第2四半期の営業利益は期初予想を上回る

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2019年12月期第2四半期の業績概要
サイバーリンクス<3683>の2019年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比19.4%増の5,536百万円、営業利益が同34.6%増の283百万円、経常利益が同33.2%増の289百万円、四半期純利益が同32.8%増の178百万円となり、期初予想(営業利益218百万円)を上回った。重要な指標である償却前経常利益は600百万円(同27.2%増)となった。ITクラウド事業では、流通クラウド分野で主力の@rms等の提供が拡大、官公庁クラウド分野でも防災行政無線デジタル化等の工事案件が増加し、増収増益となった。またモバイルネットワーク事業では、販売単価が上昇した一方で販売台数が減少し売上はほぼ横ばいとなったが、店頭手数料の見直し等により利益率が向上し、増益を維持した。

経常利益(前年同期比72百万円増)の増減要因を分析すると、主な増益要因としては流通クラウド分野の収入増(@rms等のサービス提供拡大)79百万円、官公庁クラウド分野の収入増(防災無線デジタル化工事の需要増加)70百万円、モバイルネットワーク事業の利益率改善(店頭手数料体系の見直しによる利益率の上昇)28百万円であり、一方で主な減益要因としては償却負担増60百万円、販管費等の増加43百万円などであった。

2. セグメント別状況
各セグメントの状況は以下のようであった。

(1) ITクラウド事業
セグメント全体の売上高は前年同期比34.9%増の3,575百万円、セグメント利益は同35.2%増の173百万円となった。

a) 流通クラウド分野
主力サービスである@rmsやクラウド型EDIサービスの提供が拡大し、定常収入が着実に増加した。また機器販売やシステム導入案件も前年同期を上回り増収となった。しかし@rms次期バージョンの開発に関連した償却費の増加や人員増加に伴う労務費の増加等によりサブセグメント利益は減益となった。

b) 官公庁クラウド分野
防災行政無線デジタル化工事案件が大幅に増加した。システム導入も前年同期を上回り、サブセグメントとして増収増益となった。防災行政無線デジタル化工事案件は数年間にまたがるものが多いため、2019年12月期下期や2020年12月期にも影響が及ぶようだ。

(2) モバイルネットワーク事業
端末の高機能化等により端末1台当たりの単価は上昇したものの、携帯電話端末の品質向上による買い替えサイクルの長期化、タブレット端末需要の鈍化等により販売台数は減少した。また「分離プラン」移行直前(5月)には駆け込み需要があったものの、移行後(6月)は再び低調となり、2019年12月期上期だけを見る限り
「分離プラン」の影響はフラットであったと言える。この結果、セグメント売上高は前年同期比1.3%減の1,961百万円とほぼ前年同期並みとなった。

しかし利益面では、2018年12月期第3四半期からの店頭手数料見直しにより利益率が向上し、セグメント利益は同13.7%増の240百万円となった。


自己資本比率は66.8%と安定
3. 財務状況
2019年12月期第2四半期末の総資産は前期末比278百万円減の5,917百万円となった。流動資産は同331百万円減の2,384百万円となったが、主に受取手形・売掛金の減少302百万円、たな卸資産の減少102百万円による。固定資産は同53百万円増の3,532百万円となったが、主にソフトウェアを中心とした無形固定資産の増加34百万円、投資その他の資産の増加72百万円による。

流動負債は同373百万円減の1,557百万円となったが、主に買掛金の減少111百万円、短期借入金等の減少400百万円による。固定負債は同17百万円減の355百万円となったが、主に長期借入金の減少25百万円による。この結果、負債合計は同390百万円減の1,913百万円となった。

純資産は四半期純利益の計上などによる利益剰余金の増加100百万円等により同112百万円増の4,003百万円となった。この結果、2019年12月期第2四半期末の自己資本比率は66.8%となり、前期末比で4.8ポイント上昇した。

4. キャッシュ・フローの状況
2019年12月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは957百万円の収入であったが、主な収入は税引前四半期純利益276百万円、減価償却費283百万円、売上債権の減少302百万円、たな卸資産の減少102百万円等で、主な支出は、仕入債務の減少111百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは411百万円の支出であったが、主な支出は無形固定資産の取得282百万円等であった。財務活動によるキャッシュ・フローは503百万円の支出であったが、主な支出は長短借入金の返済425百万円、配当金の支払額77百万円等であった。

この結果、期中に現金及び現金同等物は42百万円増加し、現金及び現金同等物の期末残高は452百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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