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昭和産 Research Memo(1):コロナ禍の影響は第3四半期以降も続く想定へ。2021年3月期通期業績は下方修正

注目トピックス 日本株
■要約

昭和産業<2004>は、1959年に世界で初めて家庭用天ぷら粉を発売した食品中核企業である。「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」をグループ経営理念とし、小麦・大豆・菜種・トウモロコシの4つの穀物を国内食品メーカーの中で唯一取り扱う企業である。ブランドメッセージである「穀物ソリューション・カンパニー」を掲げ、顧客の課題にソリューションの提案を行っている。

1. 2021年3月期第2四半期業績概要
2021年3月期第2四半期業績は売上高124,180百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益4,177百万円(同17.4%減)、経常利益4,970百万円(同15.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益6,918百万円(同53.6%増)での着地となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による緊急事態宣言による影響から第1四半期の事業環境は特に厳しかった。宣言解除後に当たる第2四半期は回復傾向にあったものの勢いは鈍い。家庭用食品や配合飼料は好調であったが、業務用食材の販売数量が減少した。2020年の秋口には販売数量は前年同期並みまで戻ったものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大も影響し、コロナ禍以前の需要水準に戻るには時間がかかるもようだ。

2. 2021年3月期通期の業績予想
2021年3月期通期の業績については、コロナ禍の影響が依然として不透明な状況である。コロナ禍の影響について、当初は第2四半期まで続くとの想定であったが、第3四半期以降もこの状況が続くという想定へと変更し、通期業績予想を修正した。売上高は256,000百万円→254,000百万円(前期比0.0%減)、営業利益は8,400百万円→7,600百万円(同13.7%減)、経常利益は9,200百万円→8,500百万円(同16.3%減)と下方修正した。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は6,500百万円→9,000百万円(同33.1%増)へ上方修正した。ボーソー油脂(株)の株式取得に伴う会計処理の結果、2021年3月期第2四半期において、特別利益として負ののれん発生益3,463百万円を計上したことによる。

3. 中長期の成長戦略
2020年4月より2nd Stageである「中期経営計画20-22」を進めている。基本方針は「“確立”基盤事業の盤石化と成長事業の育成」、基本コンセプトは「SHOWA New Value Creation 〜SHOWAだからできる新たな価値とは〜」である。顧客・社会課題視点による解決提案力の向上やグループ総合力の更なる深化、さらにイノベーション創出に向けた経営基盤の確立によって、新たな価値を創造し、多様な食シーンに貢献する。「中期経営計画20-22」の経営指標としては、2023年3月期の売上高目標を2,800億円、経常利益130億円を目標としており、ROEは9.0%以上を目標としている。

■Key Points
・ボーソー油脂及びサンエイ糖化(株)の子会社化によるシナジーの最大化
・船橋プレミックス工場新設で生産能力1.8倍、IoTなど最新技術導入による生産性向上
・大豆ミート「まめたん」は想定を上回る好調。業務用・家庭用の両面から販売強化
・鹿島工場コージェネレーション設備の燃料を「石炭」から「都市ガス」にシフト、CO2排出量約20%削減

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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