アドバンクリエ Research Memo(1):インシュアテック企業としての強みを生かして高収益・高成長を目指す
[22/02/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手である。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営店舗での販売、提携代理店への送客、オンライン保険相談など最適な販売チャネルで保険商品の販売を行っている。収益の大半はこの保険契約から得られる代理店手数料収入で占められ、そのほかにASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。
※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。
1. 2021年9月期の業績概要
2021年9月期の連結業績は、売上高で前期比4.8%増の11,019百万円、営業利益で同72.4%増の2,041百万円となり、過去最高業績を更新した。主力の保険代理店事業において、アポイント数の増加とオンライン保険相談の収益性向上により、直営コンサルティングプラザでの販売実績が前期を上回ったことに加えて、AI等を活用した効率的なWebプロモーションを実施できたことにより、売上原価率が前期の30.0%から22.3%と大きく低下したことが増収増益要因となった。
2. 2022年9月期の業績見通し
2022年9月期の連結業績は売上高で前期比13.4%増の12,500百万円、経常利益で同14.2%増の2,200百万円と2ケタ増収増益となる見通し。保険代理店事業については、2021年10月の販売が一時的に落ち込んだが、同年11月以降は持ち直しており順調な成長が見込まれる。また、前期に低迷していたメディア事業も広告出稿の回復により増収増益に転じる見通しだ。成長分野であるASP事業については、2021年3月から外販を開始したオンライン面談システム「Dynamic OMO※」の顧客開拓に注力していく。保険業界を中心に2022年1月時点で40社程度の顧客数となっているが、利便性の高さが評価されて銀行や証券会社、クレジットカード会社からの引き合いも増えている。売上規模はまだ小さいものの、そのほかのASPサービスも含めて成長ポテンシャルは高く、中長期的に収益柱の1つに育つ事業として注目される。なお、2022年4月より適用される東京証券取引所の新市場区分について、同社は「プライム市場」への移行を申請。上場維持基準を全て満たし、同市場への移行が決定している。
※OMO(Online Merges with Offline)とは、「オンラインとオフラインの融合」を意味し、OnlineとOfflineを1つの大きなマーケットと見なしてサービスや機能を融合させていく考え方のこと。
3. 成長戦略
同社はSNSや動画広告、AIデータ解析等を用いた先進的なマーケティング施策と生産性の高い営業手法を組み合わせることで保険代理店事業の拡大を目指していく。2022年9月期はオンライン相談専門の「保険市場スマートコンサルティングプラザ」を開設したほか、全国のコンサルティングプラザの増床リニューアルを順次行っており、増加する需要に対応していく。また、自社で蓄積したデジタルマーケティングのノウハウをメディア事業やメディアレップ事業で生かし、ストック型ビジネスとなるASP事業や再保険事業も含めて、保険に関するあらゆる収益機会にアプローチしていくことで成長を目指していく戦略だ。同社の強みは100人を超えるITエンジニアを社内に抱え、「保険市場」やそのほかASPサービスを含めてすべて自社開発していることが挙げられる。インシュアテックの取り組みは業界で先行しており、今後もそのアドバンテージを生かして収益拡大を続けていくものと予想される。
4. 目標とする経営指標と株主還元策
なお同社は目標とする経営指標として、売上高経常利益率20%以上(2021年9月期実績17.5%)、ROE20%以上(同21.0%)、配当性向50%以上(同50.3%)、自己資本比率80%以上(同56.9%)を掲げている。2022年9月期の1株当たり配当金は前期比実質横ばいの30.0円を予定しており、配当性向は45.5%となるが50%以上を維持していく方針に変わりなく、業績が順調に進捗すれば増配される可能性が高い。なお、株主優待として9月末の株主に対して2,500円相当のカタログギフトと福利厚生サービス「保険市場Club Off」の利用権が付与される。配当金と合わせた総投資利回りでは5%以上の水準となる。
■Key Points
・オンライン保険相談の生産性向上やWebプロモーションの効率化により、保険代理店事業の収益性が大きく向上
・2022年9月期業績はすべての事業セグメントが伸長し、2ケタ増収増益となる見通し
・配当性向は50%以上、株主優待も含めた総投資利回りは5%以上の水準に
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手である。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営店舗での販売、提携代理店への送客、オンライン保険相談など最適な販売チャネルで保険商品の販売を行っている。収益の大半はこの保険契約から得られる代理店手数料収入で占められ、そのほかにASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。
※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。
1. 2021年9月期の業績概要
2021年9月期の連結業績は、売上高で前期比4.8%増の11,019百万円、営業利益で同72.4%増の2,041百万円となり、過去最高業績を更新した。主力の保険代理店事業において、アポイント数の増加とオンライン保険相談の収益性向上により、直営コンサルティングプラザでの販売実績が前期を上回ったことに加えて、AI等を活用した効率的なWebプロモーションを実施できたことにより、売上原価率が前期の30.0%から22.3%と大きく低下したことが増収増益要因となった。
2. 2022年9月期の業績見通し
2022年9月期の連結業績は売上高で前期比13.4%増の12,500百万円、経常利益で同14.2%増の2,200百万円と2ケタ増収増益となる見通し。保険代理店事業については、2021年10月の販売が一時的に落ち込んだが、同年11月以降は持ち直しており順調な成長が見込まれる。また、前期に低迷していたメディア事業も広告出稿の回復により増収増益に転じる見通しだ。成長分野であるASP事業については、2021年3月から外販を開始したオンライン面談システム「Dynamic OMO※」の顧客開拓に注力していく。保険業界を中心に2022年1月時点で40社程度の顧客数となっているが、利便性の高さが評価されて銀行や証券会社、クレジットカード会社からの引き合いも増えている。売上規模はまだ小さいものの、そのほかのASPサービスも含めて成長ポテンシャルは高く、中長期的に収益柱の1つに育つ事業として注目される。なお、2022年4月より適用される東京証券取引所の新市場区分について、同社は「プライム市場」への移行を申請。上場維持基準を全て満たし、同市場への移行が決定している。
※OMO(Online Merges with Offline)とは、「オンラインとオフラインの融合」を意味し、OnlineとOfflineを1つの大きなマーケットと見なしてサービスや機能を融合させていく考え方のこと。
3. 成長戦略
同社はSNSや動画広告、AIデータ解析等を用いた先進的なマーケティング施策と生産性の高い営業手法を組み合わせることで保険代理店事業の拡大を目指していく。2022年9月期はオンライン相談専門の「保険市場スマートコンサルティングプラザ」を開設したほか、全国のコンサルティングプラザの増床リニューアルを順次行っており、増加する需要に対応していく。また、自社で蓄積したデジタルマーケティングのノウハウをメディア事業やメディアレップ事業で生かし、ストック型ビジネスとなるASP事業や再保険事業も含めて、保険に関するあらゆる収益機会にアプローチしていくことで成長を目指していく戦略だ。同社の強みは100人を超えるITエンジニアを社内に抱え、「保険市場」やそのほかASPサービスを含めてすべて自社開発していることが挙げられる。インシュアテックの取り組みは業界で先行しており、今後もそのアドバンテージを生かして収益拡大を続けていくものと予想される。
4. 目標とする経営指標と株主還元策
なお同社は目標とする経営指標として、売上高経常利益率20%以上(2021年9月期実績17.5%)、ROE20%以上(同21.0%)、配当性向50%以上(同50.3%)、自己資本比率80%以上(同56.9%)を掲げている。2022年9月期の1株当たり配当金は前期比実質横ばいの30.0円を予定しており、配当性向は45.5%となるが50%以上を維持していく方針に変わりなく、業績が順調に進捗すれば増配される可能性が高い。なお、株主優待として9月末の株主に対して2,500円相当のカタログギフトと福利厚生サービス「保険市場Club Off」の利用権が付与される。配当金と合わせた総投資利回りでは5%以上の水準となる。
■Key Points
・オンライン保険相談の生産性向上やWebプロモーションの効率化により、保険代理店事業の収益性が大きく向上
・2022年9月期業績はすべての事業セグメントが伸長し、2ケタ増収増益となる見通し
・配当性向は50%以上、株主優待も含めた総投資利回りは5%以上の水準に
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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