No.1 Research Memo(6):中小企業に不可欠なプラットフォームとしてビジネスモデル変革と事業領域の拡大へ
[22/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画とその進捗
1. 中期経営計画の方向性
No.1<3562>は、中期経営計画「Be a Platformer」(2021年2月期〜2024年2月期)を推進している。情報セキュリティ機器の企画開発・製造等を行うアレクソンや、クラウドサービスの成長を担う(株)リライ(現No.1デジタルソリューション)の子会社化により、ビジネスモデルの変革と将来に向けた成長基盤が整ったことから、中小企業にとって不可欠なプラットフォームのような存在となることで、成長を加速していく方向性を打ち出している。重点施策として、1)アレクソンとのシナジー効果発揮、2)ソリューション営業の深化(ストック収益の拡大)、3)ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)、4)クラウド型サービスの開発、5)M&A・事業提携・新規事業を掲げており、ビジネスモデルの変革と事業領域の拡大にも取り組んでいく。
2. 計数目標
最終年度である2024年2月期の目標として、売上高(収益認識基準の適用後)13,299百万円※1、営業利益1,280百万円、EBITDA 1,367百万円を目指しており、営業利益率は9.6%※2に大きく改善する計画となっている。特に、営業利益率の改善に向けては、アレクソン製の高利益率商材の拡販と、ストック型ビジネスの強化(「No.1ビジネスサポート」の拡販)、システム投資による生産性の向上などが寄与する前提である。
※1 当初(収益認識基準の適用前)の売上高目標は15,500百万円
※2 当初(収益認識基準の適用前)の営業利益率目標は8.3%
3. 2022年2月期までの進捗及び今後の方針
2022年2月期までの進捗を振り返ると、計数目標は計画を上回って推移したほか、活動面(重点施策)についても、以下のような成果をあげることができた。
(1) アレクソンとのシナジー効果発揮
前述のとおり、アレクソン製品は、セキュリティ投資の需要増に加え、半導体不足を背景とした他メーカーからの乗り換えも手伝い、同社の既存顧客への販売を中心に大きく伸びており、グループ全体の業績の伸びに大きく貢献している。特に、同社の顧客接点との連携により、様々な顧客ニーズを捉えたマーケットイン型製品が軌道に乗ってきたところは、今後に向けても明るい材料と言える。
(2) ソリューション営業の深化(ストック収益の拡充)
2020年9月より開始した「No.1ビジネスサポート」の累計契約件数は3,117件(前期末比2,087件増)と順調に伸びてきた。平均単価も月々約8,000円と計画どおりの水準を確保している。また、当該サービスを担うビジネスコンサルタントも順調に増やすことができているようだ。今後もビジネスコンサルタントの増員を行いながら サービスラインナップを拡充し、ARPU(単価)の向上を目指していく。
(3) ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)
2021年4月に新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴うリモート就業の需要に対応する「Telework StationTM」をリリースすると、目標240台に対して300台を販売することができた。今後は、アフターコロナ(コロナ禍収束後)の就業復活も見据え、情報セキュリティの領域から拡大し、プロテクト=守るという観点からの開発を目指していく。
(4) クラウド型サービスの開発
2021年9月より開始したフルマネージド型クラウドサービス「デジテラス」※については、アパレル企業のタカキュー<8166>に続いて、(株)天一食品商事など大型案件を複数受注することができた。また、事業基盤の整備(人的・物理的な投資の実施)もほぼ完了したことから、今後は営業部門との連携により顧客開拓を強化し、ストック型収益の向上にもつなげていく方針である。
※Oracleが提供するOracle Cloud Infrastructureをベースとしたクラウドファイルサーバーサービスであり、導入から運用、監視(24時間365日のシステム監視・運用代行)まで一括で請け負い、低コストで安心かつ安全に、そして便利にデータを利活用できるところに特長がある。
(5) M&A・事業提携・新規事業
光通信との合弁会社であるNo.1パートナーについては、Webマーケティングを通じたモバイルWi-Fiの販売に注力し、一時利用による大口解約が発生したものの、顧客社数を1,213社(前期末比503社増)へと着実に伸ばすことができた。今後も、リモートによるプル型の営業スタイルを徹底し、これまでのプッシュ型とは違う営業体制を確立するとともに、商品ラインナップの拡充にも取り組む方針である。
また、2022年3月31日には、資本政策コンサルティングを提供するSOICOと業務提携を締結した。SOICOは上場企業及びIPOを目指す成長企業を中心として500社に及ぶコンサルティング実績を有している。本件を通じて、SOICOユーザーに対して同社サービス(情報システム周辺サービス及び機材提供等)を提供する一方、同社の「No.1ビジネスサポート」にSOICOの財務コンサルメニューを追加することで、サービスラインナップの拡充を図るところに狙いがある。
販売ネットワーク(営業拠点)についても、アライアンスの強化※に取り組んでおり、代理店/FC等を展開する業務提携先は69社(前期末比7社増)に拡大することができた。
※3〜6ヶ月程度の人的支援を通じて提携先との密接な関係を構築するとともに、提携先の顧客基盤へともにアプローチをかけることで、売上アップをサポートするなど、独自のアライアンス戦略に取り組んでいる。
なお、今後のM&Aについて、事業規模の拡大(顧客層、収益の拡大)、新規事業分野への参入(事業領域、顧客層)、シナジー効果(事業領域、収益)、成長スピードの加速(事業展開、人材獲得)などを目的として、OA・セキュリティ販社、セキュリティベンダー、DX・IT系企業などをターゲットにしていく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 中期経営計画の方向性
No.1<3562>は、中期経営計画「Be a Platformer」(2021年2月期〜2024年2月期)を推進している。情報セキュリティ機器の企画開発・製造等を行うアレクソンや、クラウドサービスの成長を担う(株)リライ(現No.1デジタルソリューション)の子会社化により、ビジネスモデルの変革と将来に向けた成長基盤が整ったことから、中小企業にとって不可欠なプラットフォームのような存在となることで、成長を加速していく方向性を打ち出している。重点施策として、1)アレクソンとのシナジー効果発揮、2)ソリューション営業の深化(ストック収益の拡大)、3)ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)、4)クラウド型サービスの開発、5)M&A・事業提携・新規事業を掲げており、ビジネスモデルの変革と事業領域の拡大にも取り組んでいく。
2. 計数目標
最終年度である2024年2月期の目標として、売上高(収益認識基準の適用後)13,299百万円※1、営業利益1,280百万円、EBITDA 1,367百万円を目指しており、営業利益率は9.6%※2に大きく改善する計画となっている。特に、営業利益率の改善に向けては、アレクソン製の高利益率商材の拡販と、ストック型ビジネスの強化(「No.1ビジネスサポート」の拡販)、システム投資による生産性の向上などが寄与する前提である。
※1 当初(収益認識基準の適用前)の売上高目標は15,500百万円
※2 当初(収益認識基準の適用前)の営業利益率目標は8.3%
3. 2022年2月期までの進捗及び今後の方針
2022年2月期までの進捗を振り返ると、計数目標は計画を上回って推移したほか、活動面(重点施策)についても、以下のような成果をあげることができた。
(1) アレクソンとのシナジー効果発揮
前述のとおり、アレクソン製品は、セキュリティ投資の需要増に加え、半導体不足を背景とした他メーカーからの乗り換えも手伝い、同社の既存顧客への販売を中心に大きく伸びており、グループ全体の業績の伸びに大きく貢献している。特に、同社の顧客接点との連携により、様々な顧客ニーズを捉えたマーケットイン型製品が軌道に乗ってきたところは、今後に向けても明るい材料と言える。
(2) ソリューション営業の深化(ストック収益の拡充)
2020年9月より開始した「No.1ビジネスサポート」の累計契約件数は3,117件(前期末比2,087件増)と順調に伸びてきた。平均単価も月々約8,000円と計画どおりの水準を確保している。また、当該サービスを担うビジネスコンサルタントも順調に増やすことができているようだ。今後もビジネスコンサルタントの増員を行いながら サービスラインナップを拡充し、ARPU(単価)の向上を目指していく。
(3) ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)
2021年4月に新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴うリモート就業の需要に対応する「Telework StationTM」をリリースすると、目標240台に対して300台を販売することができた。今後は、アフターコロナ(コロナ禍収束後)の就業復活も見据え、情報セキュリティの領域から拡大し、プロテクト=守るという観点からの開発を目指していく。
(4) クラウド型サービスの開発
2021年9月より開始したフルマネージド型クラウドサービス「デジテラス」※については、アパレル企業のタカキュー<8166>に続いて、(株)天一食品商事など大型案件を複数受注することができた。また、事業基盤の整備(人的・物理的な投資の実施)もほぼ完了したことから、今後は営業部門との連携により顧客開拓を強化し、ストック型収益の向上にもつなげていく方針である。
※Oracleが提供するOracle Cloud Infrastructureをベースとしたクラウドファイルサーバーサービスであり、導入から運用、監視(24時間365日のシステム監視・運用代行)まで一括で請け負い、低コストで安心かつ安全に、そして便利にデータを利活用できるところに特長がある。
(5) M&A・事業提携・新規事業
光通信との合弁会社であるNo.1パートナーについては、Webマーケティングを通じたモバイルWi-Fiの販売に注力し、一時利用による大口解約が発生したものの、顧客社数を1,213社(前期末比503社増)へと着実に伸ばすことができた。今後も、リモートによるプル型の営業スタイルを徹底し、これまでのプッシュ型とは違う営業体制を確立するとともに、商品ラインナップの拡充にも取り組む方針である。
また、2022年3月31日には、資本政策コンサルティングを提供するSOICOと業務提携を締結した。SOICOは上場企業及びIPOを目指す成長企業を中心として500社に及ぶコンサルティング実績を有している。本件を通じて、SOICOユーザーに対して同社サービス(情報システム周辺サービス及び機材提供等)を提供する一方、同社の「No.1ビジネスサポート」にSOICOの財務コンサルメニューを追加することで、サービスラインナップの拡充を図るところに狙いがある。
販売ネットワーク(営業拠点)についても、アライアンスの強化※に取り組んでおり、代理店/FC等を展開する業務提携先は69社(前期末比7社増)に拡大することができた。
※3〜6ヶ月程度の人的支援を通じて提携先との密接な関係を構築するとともに、提携先の顧客基盤へともにアプローチをかけることで、売上アップをサポートするなど、独自のアライアンス戦略に取り組んでいる。
なお、今後のM&Aについて、事業規模の拡大(顧客層、収益の拡大)、新規事業分野への参入(事業領域、顧客層)、シナジー効果(事業領域、収益)、成長スピードの加速(事業展開、人材獲得)などを目的として、OA・セキュリティ販社、セキュリティベンダー、DX・IT系企業などをターゲットにしていく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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