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日産東HD Research Memo(9):現中期経営計画の営業利益目標はほぼ達成が見込まれる

注目トピックス 日本株
■日産東京販売ホールディングス<8291>の中期経営計画

1. 現中期経営計画の進捗
現中期経営計画(2021年3月期〜2023年3月期)の定量目標は、売上高1,750億円、営業利益55億円、配当性向30%である。中期経営計画最終年度である2023年3月期の予想が、売上高1,400億円、営業利益55億円、配当性向30%なので、売上高以外は達成することが見込まれている。「ベストプラクティス」のさらなる徹底による提案営業で付加価値販売を強化する、ITを軸とする店舗投資と売り方改革の実行及び顧客に安心・便利を提供する商品開発など新たな販売スタイルと新商品を開発する、グループ事業に関連するM&Aにより規模を拡大する??という戦略をとってきたが、売上高は、カーライフ商品や個人リースの拡販が収益貢献したものの、コロナ禍による車両供給不足など不透明な市場環境の影響により未達となった。一方営業利益は、新型車の投入や日産販売会社3社の統合などにより収益性が大幅に向上したため、売上高未達のなか計画を達成することができた。


市場の環境変化を踏まえ、新たな企業理念と中期経営計画を策定
2. 新企業理念と新中期経営計画
現中期経営計画の間に、同社を取り巻く環境が変化の速度を上げ、取り組むべき課題はより緊急性が増した。環境の変化は、カーボンニュートラルへの社会全般の意識の高まり、所有から共有へという顧客の自動車に対する考え方、店頭商談からオンライン商談へという顧客の購買プロセス、そして人口減少や多様な働き方に対応する人財戦略??などの面で一層加速がついたという印象である。これに対し、同社が取り組むべき課題として、EVやEV周辺商品の普及によるカーボンニュートラル社会実現への貢献、個人リースのノウハウを活かした販売と店舗ネットワークや試乗車を活かしたモビリティ事業の開発、リアルとデジタルを融合しブランド体験を促進する店舗ネットワークづくり、働き方改革や生産性向上に向けた業務・運営体制の改善とDX??などが挙げられる。こうした課題の解消に加え、移動の楽しみや安心・安全・快適な運転といった普遍的価値を提供し続けるため、同社は新たな企業理念「モビリティの進化を加速させ、新しい時代を切りひらく笑顔あふれる未来のために、わたしたちは走り続ける」を掲げるとともに、気候変動への対応、安心・安全な社会の実現、人権の尊重と人的資本の充実、地域社会への貢献という、サステナブル経営において長期視点で対処すべき4つのマテリアリティを特定した。4ヵ年の新中期経営計画(2024年3月期〜2027年3月期)はこれらの課題をクリアしていくための通過点として策定されたものであり、目標達成に向けて重点戦略を推進していく考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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