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サクシード Research Memo(9):対面型家庭教師サービス以外は順調に推移

注目トピックス 日本株
*13:59JST サクシード Research Memo(9):対面型家庭教師サービス以外は順調に推移
■サクシード<9256>の業績動向

2. 事業セグメント別業績動向
事業セグメント別の業績は、教育人材支援事業では売上高が1,057百万円(前期比24.0%増)、セグメント利益が141百万円(同18.0%増)、福祉人材支援事業では売上高が433百万円(同9.6%増)、セグメント利益が87百万円(同6.3%減)、個別指導教室事業では売上高が1,231百万円(同10.5%増)、セグメント利益が260百万円(同1.9%減)、家庭教師事業では売上高が505百万円(同12.3%減)、セグメント利益が49百万円(同58.0%減)となった。各事業において先行費用が発生したものの、家庭教師事業以外は順調に推移した。

(1) 教育人材支援事業
ICT支援員派遣サービスでは、教育現場のDXが進むなか、自治体からの受注が増加した。部活動の運営受託サービスについても、新規顧客の開拓で受注が増加した。部活動の運営受託は、従来私立学校からの受注がメインだったが、ボランティアの利用を模索していた横浜市や戸田市から実証実験レベルとはいえ受注が入ったことは大きなトピックと言える。また豊中市では、部活動指導員研修会に講師を提供した。こうした前例が増えれば、導入する自治体も今後増えていくと見込まれる。日本語教育サービスについては、インバウンド需要の回復や外国人労働者の増加に伴って問い合わせが回復してきた。このため売上高は、2023年4月に大型の受託を、あとは小型の案件を確実に確保したことで大きく拡大、人件費は増加したもののサービス拡大に向けて人員を強化したため2ケタ増益を達成し、おおむね計画どおりの着地となった。

(2) 福祉人材支援事業
福祉人材サービスにおいては、人材派遣サービスの売上が順調に伸びた。保育士や学童保育指導員に対するニーズが引き続き強く、学習障がいや発達障がいのための施設の増加に伴い放課後デイサービスも成長しており、特に学童施設や放課後デイサービス向け人材サービスの売上が高まった。また、教員の働き方改革につながる学校介助員の派遣サービスの売上も増加したが、まだ緒についたばかりであり、今後は各自治体の予算増加に期待したい。この結果、新規登録者獲得のための募集費が増加して事業全体で減益とはなったが、おおむね計画どおりの着地となった。専門特化した豊富な教育系人材データベースを有しているため、教員免許や保育士免許等の有資格者、児童発達支援管理責任者にピンポイントでオファーできたことが奏功した。

(3) 個別指導教室事業
個別指導教室事業においては、2023年6月に「本厚木校」、7月に「淵野辺校」と千葉県初出店となる「新松戸校」、10月に「ペンタスkids中川校」を開校した。新規校舎の入塾者数は順調に増加し、初進出の千葉県でも想定以上の立ち上がりとなったようだ。また、既存の校舎においても受講数が増加し、初の試みである冬期合宿も開催した。この結果、売上高は2ケタ増と順調に拡大した。しかし、コロナ禍で止めていた出店を2023年3月期に再開・加速したことにより出店費用が増加し、セグメント利益は減益となった。期初計画との比較では、出店時期の差や一部出店コストの増加などの影響はあったが、売上高、セグメント利益ともにほぼインラインの着地となった。

(4) 家庭教師事業
家庭教師事業においては、オンライン市場の拡大を見込んで、前期よりプロモーション展開や人的投資を積極的に行った。オンライン型家庭教師サービスは、対面の代替手段という以上に利便性の高い学習方法としての認知が進んだため生徒数が着実に増加しており、引き続き全国展開を進めている。一方対面型は、広告を増やして全国にエリアを拡大すれば成長できると考えたが、Web広告の単価が高騰したうえ、様々な広告を打ったことによる広告効果の散逸に加えて、AO入試や帰国子女、インターナショナルスクールなどなど多様化するニーズにも対応し切れず、在籍生徒数の減少につながった。

このため、期中に広告戦略と内部体制の見直しを行い、広告については、Webページ改修やSEOの強化、高効率の媒体の見極めなど、新規顧客の獲得強化を重視した手法に転換した。内部体制は、地盤の首都圏と関西圏、中京圏へ経営資源を再集中してブランド力を引き上げ、進路指導の充実による顧客満足度の向上につなげる体制を構築した。さらに、収益化と成長という目標を明確にするため、家庭教師事業部として独立した(設置は2024年4月)。オンライン型が成長しているとはいえ、オンライン型の客単価は低いうえに対面型の売上が大半を占めており、プロモーション展開や人的投資の積極化もあって、大幅な減収減益となった。期初計画との比較では、対面型の苦戦により未達となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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