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2011年4月2日

日本マネジメント総合研究所

お花見などのイベントを自粛しない、という震災復興支援のあり方を問う

報道機関各位

2011年4月2日(土)
日本マネジメント総合研究所　理事長　戸村智憲

この度の東日本大震災で被災された方々のご無事と一日も早い復旧復興と共に、
亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

東日本大震災に直面し、各企業や自治体・公的機関などでお花見やイベントの自粛が
相次いでいます。しかし、形式的に自粛することが、本当に復旧・復興に役立つかは
良く考えなければならないと思っております。

お花見の時期にあって、お花見の自粛はすべきではないと考えます。
お花見をすることが問題なのではなく、その行い方が問題なのです。

お花見に際し、ばか騒ぎはいりません。お酒・食材などを買い占めるのも不要です。
ただ、お花見に行って、3杯の杯を飲み干し、けんかや場所取りの醜い争いなく、
飲み過ぎて救急車のお世話になることもなく、仲良く過ごすことは、不謹慎ではない
と思うのです。

1杯目のお酒は、被災地の方々のご無事と1日も早い復旧復興と共に、はかなく散りゆく
こととなった尊い御霊に捧げて飲む

2杯目のお酒は、いまここに生きていられる喜びに感謝するために飲む

3杯目のお酒は、多くの同僚や仲間や地域の皆さんに支えられて、自分が生きていける
ありがたさに感謝して飲む

やがて、被災地の東北各地にも桜前線が北上して、がれきの上を桜の花びらが舞い飛ぶ
ことでしょう。元気に生きていける私たちが、被災地の方々のご無事と御霊を偲ぶ思い
を桜の樹に託し、桜の花々に思いを込めたメッセージを被災地に運んでもらえるように。

粛々と、黙々とということでなくても、また、節度や礼節といった肩ひじ張ったもの
というよりも、一人ひとりが祈りと願いを込めて、それぞれの人のそれぞれの祈り方、
願い方で、うつむかず空に映える桜を見上げてお酒を酌み交わすことは、日本を元気
に、桜の下に皆がひとつになって明るい光で包み合う身近で尊い行為だと思います。

そして、宴が終わった後、ゴミがひとつも落ちていないお花見であればと思います。

尊い御霊を思って喪に服することと、過度に自粛しなければならないと思いこむこと
とは別物ではないかと思います。

また、被災地の復興において、雇用を生み出し、財政支援も行う必要があり、過度な
自粛による経済の停滞は避けることこそが、被災地を応援するために私たちにできる
ことのひとつなのです。

このような時だからこそ、お花見を行うべきではないかと思います。

泥酔する必要はなく、ほんのり桜色にほろ酔い程度で、しっとりとしたお花見のあり方
があっても良いと思っています。

今年は神妙に自粛したお花見が、来年は「のど元過ぎれば熱さ忘れる」という時の
「のど元」が短いような、ばか騒ぎをするお花見が行われてしまうような方が、却って
不謹慎であると思います。

復旧・復興には時間がかかります。今年だけ自粛すれば済む問題ではなく、来年も
再来年も、5年後も20年後も、被災者の方々はこの度の震災を忘れることはない
でしょう。亡くなられた尊い命を忘れることはないでしょう。

また、私たちも、今年だけ神妙に自粛して来年からこの震災による心の痛みややりきれ
ない思いを忘れて、騒ぎ倒すようなお花見をするのであれば、それは偽善ではないので
しょうか。

被災者の方々は、大きな心の傷を抱えながらも、まなざしの輝きを失わず、私たちより
明るく前を向いて歩み始めようとしていらっしゃいます。被災者の皆様の立場として
考えてみた際、被災者の皆様が、今回の震災を通じて、日本全国が暗くうつむくことを
願っていらっしゃるのでしょうか。

桜の幹に手をあてて、風に舞う桜の花びらに被災地への祈りを込めて、去年とは違って
しっとりとした「お花見」を、私はさせて頂きたいと思います。

以上でございます。