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ウパダシチニブの関節リウマチに対する単剤療法の第III相試験の結果について

2018年1月11日

アッヴィ合同会社

アッヴィが開発中のウパダシチニブ、
関節リウマチに対する単剤療法の第III相試験において、
すべての主要評価項目および重要な副次評価項目を達成

●大規模SELECTプログラムの3つ目の試験、SELECT-MONOTHERAPY試験において良好な結果が得られ、メトトレキサートで十 分な効果が得られなかった患者さんにおいて、1日1回15 mgおよび30 mg投与の両用量群で主要評価項目を達成(1)
●ウパダシチニブ水和物(以下、ウパダシチニブ)単剤療法により、14週までに15 mg群で45%、30 mg群で53%の患者さんに おいて低疾患活動性(LDA)を達成(1*)
●ACR20/50/70改善率は、ウパダシチニブ 15 mg群で68/42/23%、ウパダシチニブ 30 mg群で71/52/33%の患者さんが達 成(1*)
●ウパダシチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告された第III相試験と一致、新たな安全性シグナルは検出されず(1-5)
●ウパダシチニブはアッヴィが開発した1日1回投与の経口薬で、JAK1を選択的に阻害、SELECTプログラムでは関節リウマチ治療 薬、また、その他の免疫関連疾患の治療薬としても開発中(6-13)


イリノイ州ノースシカゴ、2017年12月20日―グローバルなバイオ医薬品企業であるアッヴィは、第III相SELECT-MONOTHERAPY試験における主要な結果を発表しました。本試験は進行中であり、メトトレキサートで十分な効果が認められなかった中等度から重度の関節リウマチ(RA)患者さんを対象に、開発中の経口選択的JAK1阻害薬ウパダシチニブ(ABT-494)の単剤療法を検討しました。ウパダシチニブの両用量群(15 mgおよび30 mgの 1日1回投与)は、一定用量のメトトレキサートを継続した群と比較して、投与14週後のACR20**改善率および低疾患活動性***達成率の主要評価項目を達成しました1。また、すべての重要な副次評価項目および主要な副次評価項目も両用量群で達成されました1。ウパダシチニブは規制当局の承認を取得しておらず、安全性および有効性は確立されていません。

アッヴィの研究開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高科学責任者のマイケル・セヴェリーノ医学博士(M.D.)は、次のように述べています。「SELECT- MONOTHERAPY試験で良好な結果が得られたことは励みになります。この結果は、ウパダシチニブがメトトレキサートの併用を必要としない治療法となり得ることを裏付ける最初のエビデンスです。この結果が加わり、ウパダシチニブが関節リウマチに苦しむ患者さんにとって有意義な治療選択肢となる可能性があることを示すデータが蓄積されていきます。2018年には、ウパダシチニブを検討する第III相関節リウマチプログラムにおける新たなデータをリウマチ領域関係者の方々と共有できることを楽しみにしています」

関節リウマチは慢性疾患であり、罹患している患者さんは世界全体で2,370万人と推定されます14。メトトレキサートは、関節リウマチに対する第一選択薬として広く用いられていますが、メトトレキサートでは効果が認められない患者さんやメトトレキサートに不耐性の患者さんが多く、そのような患者さんには疾患が進行するリスクがあります15-17。

オーストリア、ウィーン医科大学の内科学リウマチ科のジョセフ・スモーレン医学博士(M.D.)は、次のように述べています。「この試験では、メトトレキサートで十分な効果が認められなかった患者さんを対象として、メトトレキサートからウパダシチニブ単剤療法へ切り替えた場合の臨床的影響を検討しています。その結果から、ウパダシチニブの両用量とも臨床的に意味のある効果をもたらすことが示唆されました。この結果は、ウパダシチニブ単剤療法が関節リウマチの患者さんの治療選択肢となることを裏付けるものです」

14週時点でACR20/50/70**に達した患者さんの割合は、ウパダシチニブ 15 mg 1日1回投与に切り替えた患者さんで68/42/23%、ウパダシチニブ 30 mg 1日1回投与に切り替えた患者さんで71/52/33%、メトトレキサートの投与を継続した患者さんで41/15/3%でした1。ウパダシチニブの各用量群におけるこれらの達成率はすべて、ベースライン時の用量でメトトレキサートを継続した群と比較して統計学的に有意でした(p<0.001)1。

また、ウパダシチニブの両用量群では14週時点でメトトレキサート継続群と比較し、有意に多くの患者さんが低疾患活動性および臨床的寛解を達成しました(p<0.001)1。低疾患活動性の達成率は、15 mg群および30 mg群でそれぞれ45%および53%であり、メトトレキサート継続群では19%でした1。臨床的寛解の達成率は、15 mg群および30 mg群において、それぞれ28%および41%で、メトトレキサート継続群では8%でした1。

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201801109773-O2-KRRwBui7

本試験において、ウパダシチニブの安全性プロファイルは、過去に報告された第III相SELECT試験および第II相試験と一致し、1-5新たな安全性シグナルは検出されませんでした1。重篤な有害事象が発現した患者さんは、ウパダシチニブ 15 mg/30 mg群でそれぞれ5/3%、メトトレキサート群で3%でした1。治療前から心血管リスク因子を有していた1例の患者さんに致死的事象が発現しました。この事象は、ウパダシチニブ 15 mg投与中に発現した動脈瘤破裂による出血性脳卒中でした1。また、本試験中には、治療前から肺塞栓症(PE)のリスク因子を有していた15 mg投与群の患者さんでPEが1件報告されました1。SELECT RAプログラム全体を通じて、プラセボ対照期間および継続投与期間のいずれにおいても、深部静脈血栓症およびPEの発現率は関節リウマチ患者さんにおける背景率(バックグラウンド率)と一致しています1-3,18,19。

SELECT RA臨床試験プログラムに含まれる6試験のうち3つ目であるSELECT- MONOTHERAPY試験の詳細な結果は、今後開催される学会およびピアレビュー論文で発表される予定です。

アッヴィは、複数の免疫関連疾患に対するウパダシチニブ適応の可能性について検討を続けています。関節症性乾癬を対象としたウパダシチニブの第III相試験が進行中であり、さらに、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、アトピー性皮膚炎の治療薬としての開発も進められています8-13。

SELECT-MONOTHERAPY試験について1
SELECT-MONOTHERAPY試験は、ウパダシチニブ単剤療法の安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較試験です。一定用量のメトトレキサートを服用し、十分な効果が認められなかった中等度から重度の成人関節リウマチ患者さんを対象として、盲検下でメトトレキサートからウパダシチニブ単剤療法(15 mgまたは30 mg の1日1回投与)への切替え群、または一定用量のメトトレキサートを継続した群に割り付けました。

第1期の主要評価項目は投与14週後のACR20改善率および低疾患活動性(LDA)達成率でした。副次評価項目は14週時点のACR50改善率、ACR70改善率および臨床的寛解でした。この試験は進行中です。第2期は、第1期を終了した患者さんを対象に盲検下で2用量(15 mgおよび30 mgの 1日1回投与)のウパダシチニブ単剤療法の長期の安全性、忍容性および有効性を評価する長期継続投与期間です。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02706951)で閲覧可能です。

SELECT試験プログラムについて
大規模SELECT第III相RAプログラムでは、6試験において、4,000名以上の中等度から重度の関節リウマチ患者さんを評価します。これらの試験では、さまざまな関節リウマチ患者さんにおける有効性、安全性および忍容性の評価が行われています。ACR改善率、 疾患活動性およびエックス線画像上の骨・関節破壊進行抑制などが、重要な有効性の評価項目として設定されています。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02706847、NCT03086343、NCT02629159、NCT02706873、NCT02706951、NCT02675426)で閲覧可能です。

ウパダシチニブについて
アッヴィが発見し開発したウパダシチニブは、関節リウマチおよびその他の免疫関連疾患の病態生理に重要な役割を果たすJAK1を選択的に阻害する経口薬として臨床試験が進められています6,7。関節症性乾癬を対象としたウパダシチニブの第III相試験が進行中であり、さらに、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、アトピー性皮膚炎の治療薬としての開発も進められています8-13。

ウパダシチニブは開発中の経口薬であり、規制当局の承認を取得していません。本剤の安全性および有効性は確立されていません。

■アッヴィについて
アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努める研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75ヵ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。
よろしければTwitterアカウント@abbVieもフォローください。また、人材情報はFacebookやLinkedInをご参照ください。

■アッヴィ 今後の見通しに関する陳述
本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する陳述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する陳述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する陳述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する陳述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。

アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2016年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する陳述を更新する義務を負わないものとします。


1 AbbVie. Data on File, ABVRRTI65458.
2 AbbVie. Data on File, ABVRRTI64730.
3 AbbVie. Data on File, ABVRRTI64466.
4 Kremer JM, Emery P, Camp HS, et al. A Phase 2b study of ABT-494, a selective JAK1 inhibitor, in patients with rheumatoid arthritis and an inadequate response to anti-TNF therapy. Arthritis Rheumatol 2016; (doi:10.1002/art.39801):July 7 [Epub ahead of print].
5 Genovese MC, Smolen JS, Weinblatt ME, et al. A randomized Phase 2b study of ABT-494, a selective JAK1 inhibitor in patients with rheumatoid arthritis and an inadequate response to methotrexate. Arthritis Rheumatol 2016;(doi: 10.1002/art.39808):July 7 [Epub ahead of print].
6 Voss, J, et al; Pharmacodynamics Of a Novel Jak1 Selective Inhibitor In Rat Arthritis and Anemia Models and In Healthy Human Subjects. [abstract]. Arthritis Rheum 2013;65 Suppl 10 :2374. DOI: 10.1002/art.2013.65.issue-s10
7 Pipeline ? Our Science | AbbVie. AbbVie. 2017. Available at: https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html. Accessed December 19, 2017.
8 A Study Comparing ABT-494 to Placebo in Subjects With Rheumatoid Arthritis on a Stable Dose of Conventional Synthetic Disease-Modifying Antirheumatic Drugs (csDMARDs) Who Have an Inadequate Response to csDMARDs Alone (SELECT-NEXT) - Full Text View - ClinicalTrials.gov. Clinicaltrialsgov. 2017. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02675426?term=select+next&rank=1. Accessed December 19, 2017.
9 A Study Comparing ABT-494 to Placebo and to Adalimumab in Participants With Psoriatic Arthritis Who Have an Inadequate Response to at Least One Non-Biologic Disease Modifying Anti-Rheumatic Drug (SELECT - PsA 1). Clinicaltrialsgov. 2017. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03104400?term=ABT-494&phase=2&rank=10. Accessed December 19, 2017.
10 A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of ABT-494 for the Induction of Symptomatic and Endoscopic Remission in Subjects With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Immunomodulators or Anti-TNF Therapy - Full Text View - ClinicalTrials.gov. Clinicaltrialsgov. 2017. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02365649. Accessed December 19, 2017.
11 A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of ABT-494 for Induction and Maintenance Therapy in Subjects With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis. Clinicaltrialsgov. 2017. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635. Accessed December 19, 2017.
12 A Study Evaluating the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Subjects With Active Ankylosing Spondylitis (SELECT Axis 1). 2017. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT03178487?term=ABT-494&cond=ankylosing+spondylitis&rank=1. Accessed December 19, 2017.
13 A Study to Evaluate ABT-494 in Adult Subjects With Moderate to Severe Atopic Dermatitis. Clinicaltrialsgov. 2017. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02925117. Accessed December 19, 2017.
14 World Health Organization. The Global Burden of Disease, 2004 Update. Available at: http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/GBD_report_2004update_full.pdf. Accessed December 19, 2017.
15 Shinde, CG, Venkatesh, MP, Pramod Kumar, TM, Shivakumar, HG. J Pain Palliat Care Pharmacother. 2014 Dec;28(4):351-8. doi: 10.3109/15360288.2014.959238. Epub 2014 Oct 16.
16 Swierkot J and Szechinski J. Methotrexate in rheumatoid arthritis. Pharmacol Rep. 20116 Jul-Aug;58(4)473-92.
17 Fautrel B, Nab HW, et al. Identifying patients with rheumatoid arthritis with moderate disease activity at risk of significant radiographic progression despite methotrexate treatment. RMD Open. 2015; 1(1). DOI: 10.1136/rmdopen-2014-000018.
18 AbbVie. Data on File, ABVRRTI64959.
19 Kim SC. Risk of Venous Thromboembolism in Patients with Rheumatoid Arthritis. Arthritis Care & Research. Vol. 65, No. 10, October 2013, pp 1600?1607.


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