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花岡研究室が県内2社と白山麓キャンパスで行った実証実験にて成果。特許も出願。

廃棄瓦のリサイクルと都心部ヒートアイランド現象緩和に向け、実用化に大きく前進

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102928/202003168090/_prw_OT1fl_iuGi382h.png

 金沢工業大学工学部環境土木工学科花岡大伸研究室(コンクリート工学)と、小松製瓦株式会社(石川県小松市)、株式会社エコシステム(石川県能美市)の3者による研究グループは、白山麓キャンパスで2018年10月より進めてきた廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートの実証実験にて、実用化に向けた一定の成果が得られ、共同での特許申請(特願2020-20596)に至りましたのでお知らせします。
今後も実験を通じて改善を行い、製品化は令和3年度を予定しています。

国内で毎年100万トン弱発生するとされる廃棄瓦はほとんどが埋め立て処分をされ、処分場逼迫の原因となっています。また瓦の寿命は約40から50年と言われ、廃棄瓦は今後ますます増加することが予想されています。このたびの実証実験の成果は、廃棄瓦に新たなリサイクルの道を拓くとともに、屋上緑化や壁面緑化以外でもコンクリートの緑化が可能となるため、都心部におけるヒートアイランド現象の緩和にも寄与できます。

 さらに将来的にはヨーロッパや中南米など、廃棄瓦や似た素材である廃レンガで同様な課題を抱える地域にも適応ができるため、身近な課題と地球規模課題の解決の両立を目指す国連SDGs達成にも貢献するものとして期待されています。

【白山麓キャンパスにおける実証実験の内容】
瓦は保水性・吸水性が高い多孔質の物質です。この瓦の粉砕物を骨材として有効利用したのが緑化(植生)コンクリートです。研究グループでは、瓦粗骨材で製作したポーラスコンクリート(多孔質コンクリート)に潅水配管を設置。瓦粗骨材の空隙には粉末状にした保水性粒子を充填し、保水・透水性を向上させた緑化基盤を構築。高麗芝の活着(根付き)を可能にしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003168090-O3-f2yw6fY8】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003168090-O4-oyRwh8vt

 研究グループでは2019年7月、白山麓キャンパス内に廃棄瓦ポーラスコンクリートを利用した緑化基盤の駐車場を施工し、空隙部への保水性粒子の充填効果や潅水配管の効果検証と、緑化駐車場としての検証実験を1か月間行いました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003168090-O5-U8oKFtju

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003168090-O6-8RZoS31N

 実験結果としては、空隙部に保水性粒子が充填されている廃棄瓦ポーラスコンクリートは骨材の種類や粒径によらず芝生が成育することや、配管の間隔にも特に問題がないことなどがわかりました。
また駐車場としての使用を想定した実証として、車輌重量1.4トンの普通車が1か月間利用した場合の実験では、芝生のズレや損傷は観られませんでした。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003168090-O7-YWAUWPBo
駐車場として1か月間利用後も、芝生のずれや大きな損傷はみられなかった

 当実験結果から、ポーラスコンクリートの骨材の空隙に、瓦やレンガといった窯業系マテリアルが主成分の保水性粒子を充填することで、高い保水・吸水性が確保され、高麗芝の生育に有効であること、廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリート基盤は緑化駐車場としても利用可能であることを実証できました。 

*当実証実験は平成30年度小松市産学官共同研究促進事業の認定を受けて実施されました

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