中等症以上の活動性潰瘍性大腸炎成人患者の治療薬として、ウパダシチニブの承認申請をFDAおよびEMAに提出
[21/10/08]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2021年10月8日
アッヴィ合同会社
アッヴィ、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、ウパダシチニブの承認申請をFDAおよびEMAに提出
●申請の根拠となる第III相導入療法・維持療法試験では、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に多くの患者さんが主要評価項目とすべての副次評価項目を達成1-3
●安全性に関する試験結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルと一致し、新たな重要な安全性リスクは認められず1-7
●ウパダシチニブは、14,000人以上の患者さんを評価した臨床プログラムに基づいた安全性データを有している。米国とEUにおいては関節リウマチの治療薬として、またEUにおいては関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、強直性脊椎炎およびアトピー性皮膚炎の治療薬として承認を取得8-14
イリノイ州ノースシカゴ、2021年9月16日(米国時間)?アッヴィ(NYSE:ABBV)は、ウパダシチニブ15 mgおよび30 mg(維持療法時の用量)、ならびに45 mg(導入療法時の用量)について、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に、既存治療または生物学的製剤で効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)に、それぞれ承認申請を提出したことを発表しました。
アッヴィの研究開発部門のシニア・バイス・プレジデント兼最高科学責任者(CSO)であるトム・ハドソンは次のように述べています。「倦怠感、便意切迫、血性下痢および腹痛など、潰瘍性大腸炎に伴う症状に苦しむ患者さんは依然として多く存在します。こうした生活の負担となり、不安を引き起こすこともある症状に対処したいと願う潰瘍性大腸炎患者さんに対して、ウパダシチニブが新しい重要な治療選択肢となる可能性があります。規制当局と連携し、1日も早くウパダシチニブを潰瘍性大腸炎患者さんにお届けできることを心待ちにしています」
本申請は、2つの第III相導入療法試験および1つの維持療法試験から得られたデータに基づいています1-3。1日1回45 mgを投与する導入療法試験では8週時において、1日1回15 mgまたは30 mgを投与する維持療法試験では52週時において、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に多くの患者さんが、主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づく)、およびすべての副次評価項目を達成しました1-3。
導入療法の45 mg投与群を含め、これらの試験におけるウパダシチニブの安全性の結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルと全般的に一致しており、安全性に関する新たな重要なリスクは認められませんでした1-7。
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は大腸における慢性、特発性の免疫関連炎症性腸疾患(IBD)であり、直腸からより近位の結腸までのさまざまな範囲で粘膜炎が持続的に生じます15,16。潰瘍性大腸炎に特徴的な徴候および症状は、直腸出血、腹痛、血性下痢、しぶり腹、便意切迫および便失禁です15,17。潰瘍性大腸炎の経過は患者さんによって異なり、寛解から慢性難治性疾患までさまざまな経過をとり、ときには外科手術やがんなどの合併症発症に至ることもあり、死亡することもあります16,19。重い症状と予測不可能な疾患経過は、患者さんにとって大きな負担となることもあり、しばしば生活に支障をきたすことも報告されています18。
U-ACHIEVE導入療法試験、ならびにU-ACCOMPLISHおよびU-ACHIEVE維持療法試験について1-3,14-16
3つの第III相試験は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんを対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。1日1回45 mgを投与する導入療法と、1日1回15 mgまたは30 mgを投与する維持療法において、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価しています。U-ACHIEVE導入療法試験、2番目の導入療法試験であるU-ACCOMPLISH試験、およびU-ACHIEVE維持療法試験で得られた主要な結果は、それぞれ2020年12月、2021年2月および2021年6月に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03006068、NCT03653026、NCT02819635)に掲載されています。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは、選択的かつ可逆的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められています1-3,14-22。ヒトの細胞を用いた分析系において、ウパダシチニブは機能的選択性を示し、JAK2のペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1またはJAK1/3を介するシグナル伝達を優先的に阻害します30。ウパダシチニブ15 mgは、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国において承認を得ています。また、ウパダシチニブ15 mgは、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さん、活動性関節症性乾癬(乾癬性関節炎)(PsA)の成人患者さん、活動性強直性脊椎炎(AS)の成人患者さんおよび中等症から重症のアトピー性皮膚炎(AD)の成人および12歳以上の青少年患者さんの治療薬として、EUにおいて承認を得ています。ウパダシチニブ30 mgは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する65歳未満の成人患者さんの治療薬としても、EUにおいて承認を得ています。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です21-29。ウパダシチニブの潰瘍性大腸炎に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報
ウパダシチニブは、中等度から重度の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核および細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○下痢または胃痛
○咳嗽
○体重減少
○排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。http://www.fda.gov/medwatch をご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssist をご参照ください。
こちらから、ウパダシチニブの詳細な処方情報および服薬ガイドについてご参照ください。
EU におけるウパダシチニブの重要な適応症および安全性情報30
関節リウマチ
ウパダシチニブは、1 種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)に効果不十分または不耐性の中等度から重度の活動性関節リウマチ成人患者さんの治療に適応されます。本剤は、単剤療法またはメトトレキセートとの併用療法として使用することができます。
関節症性乾癬(乾癬性関節炎)
ウパダシチニブは、1 種類以上のDMARD に効果不十分または不耐性の活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎)の成人患者さんの治療に適応されます。本剤は、単剤療法またはメトトレキセートと併用療法として使用することができます。
強直性脊椎炎
ウパダシチニブは、既存の治療で効果不十分な活動性強直性脊椎炎の患者さんの治療に適応されます。
アトピー性皮膚炎
ウパダシチニブは、全身療法の対象となる12 歳以上の青少年および成人の中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんの治療に適応されます。
禁忌
本剤の有効成分または添加物に対して過敏症を有する患者さん、活動性結核(TB)または活動性の重篤な感染症を有する患者さん、重症の肝機能障害を有する患者さんおよび妊娠中の患者さんには投与しないでください。
警告および使用上の注意
免疫抑制薬
他の強力な免疫抑制剤との併用は推奨されていません。
重篤な感染症
ウパダシチニブを服用している患者さんで重篤な感染症が発生しており、これらの感染症による死亡例もあります。主な重篤な感染症は、肺炎および蜂巣炎です。細菌性髄膜炎が報告されています。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、日和見感染症のうち結核、多発性帯状疱疹、口腔/食道カンジダ症およびクリプトコッカス症が報告されています。65 歳以上の患者さんにおいて感染症の発現率が高いため、こうした患者さんへの投与を行う際は注意が必要です。
ウイルスの再活性化
臨床試験において、帯状疱疹を含むウイルスの再活性化が報告されています。ウパダシチニブを投与された日本人の患者さんにおいて、帯状疱疹のリスクが高いと考えられています。
ワクチン接種
ウパダシチニブの投与期間中または投与開始直前に生ワクチンを接種することは推奨されていません。患者さんは、最新の予防接種ガイドラインに従い、ウパダシチニブの投与開始前に、帯状疱疹ワクチンを含むすべての予防接種を受けるよう指導することが推奨されています。
悪性腫瘍
関節リウマチ(RA)患者さんでは、リンパ腫を含む悪性腫瘍のリスクが増加します。ウパダシチニブを投与された患者さんで、非黒色腫皮膚がん(NMSC)を含む悪性腫瘍が報告されています。治療が奏効したNMSC 以外の悪性腫瘍を有する患者さんにウパダシチニブ投与する前、また悪性腫瘍が新たに発現した患者さんにウパダシチニブ継続投与を検討する際は、ウパダシチニブを投与するリスクとベネフィットを検討する必要があります。
血液学的異常
患者さんの管理において血液学的異常が認められた場合は、投与を開始しないか、一時的に投与を中断してください。
心血管リスク
RA 患者さんは、心血管疾患のリスクが高くなっています。ウパダシチニブの投与を受ける患者さんでは、通常の標準治療の一環としてリスク因子(例:高血圧、高脂血症)を管理してください。
脂質
ウパダシチニブの投与に伴い、総コレステロール、低比重リポ蛋白コレステロールおよび高比重リポ蛋白コレステロールなどの脂質パラメータの用量依存的上昇が認められています。
肝トランスアミナーゼ上昇
プラセボと比較して、ウパダシチニブを投与された患者さんは肝酵素上昇の発現率が高かったことが認められています。
静脈血栓塞栓症
ウパダシチニブを含むJAK 阻害剤を投与された患者さんにおいて、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が報告されています。DVT/PE のリスクが高い患者さんには、ウパダシチニブを慎重に投与する必要があります。
アッヴィ合同会社
アッヴィ、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、ウパダシチニブの承認申請をFDAおよびEMAに提出
●申請の根拠となる第III相導入療法・維持療法試験では、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に多くの患者さんが主要評価項目とすべての副次評価項目を達成1-3
●安全性に関する試験結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルと一致し、新たな重要な安全性リスクは認められず1-7
●ウパダシチニブは、14,000人以上の患者さんを評価した臨床プログラムに基づいた安全性データを有している。米国とEUにおいては関節リウマチの治療薬として、またEUにおいては関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、強直性脊椎炎およびアトピー性皮膚炎の治療薬として承認を取得8-14
イリノイ州ノースシカゴ、2021年9月16日(米国時間)?アッヴィ(NYSE:ABBV)は、ウパダシチニブ15 mgおよび30 mg(維持療法時の用量)、ならびに45 mg(導入療法時の用量)について、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に、既存治療または生物学的製剤で効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)に、それぞれ承認申請を提出したことを発表しました。
アッヴィの研究開発部門のシニア・バイス・プレジデント兼最高科学責任者(CSO)であるトム・ハドソンは次のように述べています。「倦怠感、便意切迫、血性下痢および腹痛など、潰瘍性大腸炎に伴う症状に苦しむ患者さんは依然として多く存在します。こうした生活の負担となり、不安を引き起こすこともある症状に対処したいと願う潰瘍性大腸炎患者さんに対して、ウパダシチニブが新しい重要な治療選択肢となる可能性があります。規制当局と連携し、1日も早くウパダシチニブを潰瘍性大腸炎患者さんにお届けできることを心待ちにしています」
本申請は、2つの第III相導入療法試験および1つの維持療法試験から得られたデータに基づいています1-3。1日1回45 mgを投与する導入療法試験では8週時において、1日1回15 mgまたは30 mgを投与する維持療法試験では52週時において、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に多くの患者さんが、主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づく)、およびすべての副次評価項目を達成しました1-3。
導入療法の45 mg投与群を含め、これらの試験におけるウパダシチニブの安全性の結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルと全般的に一致しており、安全性に関する新たな重要なリスクは認められませんでした1-7。
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は大腸における慢性、特発性の免疫関連炎症性腸疾患(IBD)であり、直腸からより近位の結腸までのさまざまな範囲で粘膜炎が持続的に生じます15,16。潰瘍性大腸炎に特徴的な徴候および症状は、直腸出血、腹痛、血性下痢、しぶり腹、便意切迫および便失禁です15,17。潰瘍性大腸炎の経過は患者さんによって異なり、寛解から慢性難治性疾患までさまざまな経過をとり、ときには外科手術やがんなどの合併症発症に至ることもあり、死亡することもあります16,19。重い症状と予測不可能な疾患経過は、患者さんにとって大きな負担となることもあり、しばしば生活に支障をきたすことも報告されています18。
U-ACHIEVE導入療法試験、ならびにU-ACCOMPLISHおよびU-ACHIEVE維持療法試験について1-3,14-16
3つの第III相試験は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんを対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。1日1回45 mgを投与する導入療法と、1日1回15 mgまたは30 mgを投与する維持療法において、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価しています。U-ACHIEVE導入療法試験、2番目の導入療法試験であるU-ACCOMPLISH試験、およびU-ACHIEVE維持療法試験で得られた主要な結果は、それぞれ2020年12月、2021年2月および2021年6月に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03006068、NCT03653026、NCT02819635)に掲載されています。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは、選択的かつ可逆的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められています1-3,14-22。ヒトの細胞を用いた分析系において、ウパダシチニブは機能的選択性を示し、JAK2のペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1またはJAK1/3を介するシグナル伝達を優先的に阻害します30。ウパダシチニブ15 mgは、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国において承認を得ています。また、ウパダシチニブ15 mgは、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さん、活動性関節症性乾癬(乾癬性関節炎)(PsA)の成人患者さん、活動性強直性脊椎炎(AS)の成人患者さんおよび中等症から重症のアトピー性皮膚炎(AD)の成人および12歳以上の青少年患者さんの治療薬として、EUにおいて承認を得ています。ウパダシチニブ30 mgは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する65歳未満の成人患者さんの治療薬としても、EUにおいて承認を得ています。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です21-29。ウパダシチニブの潰瘍性大腸炎に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報
ウパダシチニブは、中等度から重度の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核および細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○下痢または胃痛
○咳嗽
○体重減少
○排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。http://www.fda.gov/medwatch をご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssist をご参照ください。
こちらから、ウパダシチニブの詳細な処方情報および服薬ガイドについてご参照ください。
EU におけるウパダシチニブの重要な適応症および安全性情報30
関節リウマチ
ウパダシチニブは、1 種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)に効果不十分または不耐性の中等度から重度の活動性関節リウマチ成人患者さんの治療に適応されます。本剤は、単剤療法またはメトトレキセートとの併用療法として使用することができます。
関節症性乾癬(乾癬性関節炎)
ウパダシチニブは、1 種類以上のDMARD に効果不十分または不耐性の活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎)の成人患者さんの治療に適応されます。本剤は、単剤療法またはメトトレキセートと併用療法として使用することができます。
強直性脊椎炎
ウパダシチニブは、既存の治療で効果不十分な活動性強直性脊椎炎の患者さんの治療に適応されます。
アトピー性皮膚炎
ウパダシチニブは、全身療法の対象となる12 歳以上の青少年および成人の中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんの治療に適応されます。
禁忌
本剤の有効成分または添加物に対して過敏症を有する患者さん、活動性結核(TB)または活動性の重篤な感染症を有する患者さん、重症の肝機能障害を有する患者さんおよび妊娠中の患者さんには投与しないでください。
警告および使用上の注意
免疫抑制薬
他の強力な免疫抑制剤との併用は推奨されていません。
重篤な感染症
ウパダシチニブを服用している患者さんで重篤な感染症が発生しており、これらの感染症による死亡例もあります。主な重篤な感染症は、肺炎および蜂巣炎です。細菌性髄膜炎が報告されています。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、日和見感染症のうち結核、多発性帯状疱疹、口腔/食道カンジダ症およびクリプトコッカス症が報告されています。65 歳以上の患者さんにおいて感染症の発現率が高いため、こうした患者さんへの投与を行う際は注意が必要です。
ウイルスの再活性化
臨床試験において、帯状疱疹を含むウイルスの再活性化が報告されています。ウパダシチニブを投与された日本人の患者さんにおいて、帯状疱疹のリスクが高いと考えられています。
ワクチン接種
ウパダシチニブの投与期間中または投与開始直前に生ワクチンを接種することは推奨されていません。患者さんは、最新の予防接種ガイドラインに従い、ウパダシチニブの投与開始前に、帯状疱疹ワクチンを含むすべての予防接種を受けるよう指導することが推奨されています。
悪性腫瘍
関節リウマチ(RA)患者さんでは、リンパ腫を含む悪性腫瘍のリスクが増加します。ウパダシチニブを投与された患者さんで、非黒色腫皮膚がん(NMSC)を含む悪性腫瘍が報告されています。治療が奏効したNMSC 以外の悪性腫瘍を有する患者さんにウパダシチニブ投与する前、また悪性腫瘍が新たに発現した患者さんにウパダシチニブ継続投与を検討する際は、ウパダシチニブを投与するリスクとベネフィットを検討する必要があります。
血液学的異常
患者さんの管理において血液学的異常が認められた場合は、投与を開始しないか、一時的に投与を中断してください。
心血管リスク
RA 患者さんは、心血管疾患のリスクが高くなっています。ウパダシチニブの投与を受ける患者さんでは、通常の標準治療の一環としてリスク因子(例:高血圧、高脂血症)を管理してください。
脂質
ウパダシチニブの投与に伴い、総コレステロール、低比重リポ蛋白コレステロールおよび高比重リポ蛋白コレステロールなどの脂質パラメータの用量依存的上昇が認められています。
肝トランスアミナーゼ上昇
プラセボと比較して、ウパダシチニブを投与された患者さんは肝酵素上昇の発現率が高かったことが認められています。
静脈血栓塞栓症
ウパダシチニブを含むJAK 阻害剤を投与された患者さんにおいて、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が報告されています。DVT/PE のリスクが高い患者さんには、ウパダシチニブを慎重に投与する必要があります。