来年デビュー50周年を迎える甲斐バンドが開催した「甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂」のライブレポートをお届け。9/8(金)にはWOWOWで2番組を一挙リピート放送・配信!
[23/09/01]
提供元:PRTIMES
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https://www.wowow.co.jp/music/kai/
●甲斐バンド「NEVER END BEATNIK TOUR 08-09 -THE ONE NIGHT STAND- Live at BUDOKAN」
9月8日(金)午後5:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
●甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂
9月8日(金)午後7:45 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
来年デビュー50周年を迎える甲斐バンドが敢行した、1985年に開催した「BEATNIK TOUR」のセットリストを再現するプレミアムライブ。ステージで提示された彼らの新たな決意表明とは
[画像1: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-56b2983318b69d9c6fb7-0.jpg ]
日本のロックシーンの歴史を紐解く上で、その存在抜きには語れないレジェンドがいる。それが甲斐よしひろ率いる甲斐バンドだ。
カルチャーとしてもビジネスとしても未整備であった70年代から80年代半ばの音楽業界。その中で、大いなる野心と反骨心を胸に、彼らは前例無き挑戦に挑み続けた。
無謀と言われながら開催した大規模コンサート。ニューヨーク3部作に代表される極限まで“音”を突き詰めたアルバム制作。甲斐バンドが駆け抜けた日々は、今なお人々の記憶に鮮明に刻まれている。
バンドブーム前夜の1985年。彼らは11枚目のオリジナル・アルバム『ラヴ・マイナス・ゼロ』をリリース。ツアーファイナルでは、両国“新”国技館のこけら落としとして『BEATNIK TOUR in 両国国技館』を開催した。
名実共にナンバーワンバンドとして君臨していた彼らのこの公演は、ひとつの“到達点”とも言えるものだった。
あれから38年。今年7月1日、彼らは当時のセットリストを再現するライブを敢行。会場は開設100周年を迎え、建て替え直前の日比谷野外大音楽堂。特別な場所で、プレミアムな公演が開催された。
[画像2: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-c597ec11f87217b10eae-1.jpg ]
開演直前、詰めかけた満場の観衆の熱気が頭上を覆う雨雲を蹴散らしていく。バンドがグルーヴィーなうねりを奏でる中、甲斐がステージに登場する。1曲目は「野獣」。客席の呼応が早くも熱い。続く「ランデヴー」はアルバム『破れたハートを売り物に』収録の疾走感あふれるナンバー。ツインギターの鳴りも抜群だ。甲斐の味わい深いヴォーカルとハーモニカが日比谷の空に舞い上がり、冒頭2曲で38年の時空が繋がっていく。
[画像3: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-7a412703085f74563c31-2.jpg ]
短いMCの後、ストリート・ロックの名曲「キラー・ストリート」から小林旭のカバー曲「ダイナマイトが150屯」へ。リズム隊が刻む強靭な屋台骨にキーボードのフレーズが重なり、野音が燃え上がる。
ニール・ドーフスマンがミックスを手掛けたことでも知られるダンサブルな「フェアリー(完全犯罪)」を経て、カッティングエッジなギターが印象的な「ボーイッシュ・ガール」へ。彼らの実験的な音作りが後世にもたらしたものはあまりに大きい。改めて痛感する。
[画像4: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-f0bd9c0c305bee24a43c-3.jpg ]
田中一郎のヴォーカルとギターソロが光った「悪夢」を経て、抒情的な世界観で描く「ナイト・ウェイブ」へ。ボブ・クリアマウンテンのN.Y.ミックスダウンにより、洗練されたサウンドに酔いしれた記憶がよみがえる。名バラード「荒野をくだって」では、一音たりとも聞き逃すまいと演奏に聴き入る聴衆たち。歌い終わった甲斐に多くの歓声が注がれる。
[画像5: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-86c82a701b089ec503ef-4.jpg ]
メンバー紹介を経て披露された「BLUE LETTER」そして「ラヴ・マイナス・ゼロ」も素晴らしかった。甲斐の歌に寄り添うような温かい演奏が心に沁みた。
甲斐バンドは国民的大ヒット曲のイメージもあり、熱いロックンロールのイメージが強いかもしれない。しかし、抜け感の強いバンドアンサンブルもまた彼らの真骨頂だ。強く深く頷く聴き手の姿があちこちで目についた。
一転して場内を横揺れさせる「Try」、高揚感が徐々に高まる「デッド・ライン」、スリリングな「冷血(コールド・ブラッド)」と、アルバム『ラヴ・マイナス・ゼロ』収録曲が続く。彼らの“極み”とも言える作品たちだ。
7枚目のシングル「氷のくちびる」、デビューのきっかけとなった「ポップコーンをほおばって」、甲斐よしひろが持つ漂流者の美学が結実した「翼あるもの」は70年代を代表する楽曲。甲斐が放つ言葉たちが加速し、バンドを引っ張っていく。
[画像6: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-237e0949a6e2d184194f-5.jpg ]
ハイライトは「漂泊者(アウトロー)」だった。愛を渇望する切迫した想い。痛い程ヒリヒリした歌が心に突き刺さる。声出しが解禁されたコンサート、誰もが甲斐を追うように「愛をくれよ」と続く。すべての叫びが木魂する荘厳な光景が展開され、本編は終了した。
しばしの余韻後、アンコールに応え黒いシャツ姿で舞台に戻った甲斐は、鮮やかな黄金色を放つ毒草をモチーフに男女のあやを描いた「きんぽうげ」を歌う。
続いて演奏されたのは、いわゆる“ニューヨーク3部作”第一弾アルバム『虜-TORIKO-』に収録された「無法者の愛」「観覧車’82」。サキソフォーンがフィーチャーされた都会的なサウンドが響き渡る。まさにクライマックスへと誘うようなスケールの大きな演奏に全員が酔いしれる。
[画像7: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-ac3f72b39935be0b141c-6.jpg ]
ステージが暗転し、甲斐よしひろ、松藤英男、田中一郎の3人が前方に立つ。声を合わせて歌い始めたのは「破れたハートを売り物に」だ。発表されてから40年以上演奏され、そしていつしか「約束の歌」ともなったアンセムでコンサートは終了した。
“BEATNIK”を掲げ、常に極限の状況下を妥協なく進んできた甲斐バンド。先陣を切って向かい風に抗い、傷跡すらも勲章として掲げて来た。そして、今回のプレミアム公演で、また新たな決意表明すら伝わって来た気がした。
「老いぼれるなよ、みんな!」ステージで甲斐が叫んだ言葉が、終演後も心の中でリフレインを重ねていた。衝動や渇望を抱えながら転がり続けて来た甲斐バンドは、これからもずっと旅路の途上にある。そう、それはまさしく僕らの人生と同じようにー
[画像8: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-1e5dd3ce416545632d98-7.jpg ]
撮影:三浦麻旅子
「甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂」
▼セットリスト
01. 野獣
02. ランデヴー
03. キラー・ストリート
04. ダイナマイトが150屯
05. フェアリー(完全犯罪)
06. ボーイッシュ・ガール
07. 悪夢
08. ナイト・ウェイブ
09. 荒野をくだって
10. BLUE LETTER
11. ラヴ・マイナス・ゼロ
12. Try
13. デッド・ライン
14. 冷血(コールド・ブラッド)
15. 氷のくちびる
16. ポップコーンをほおばって
17. 翼あるもの
18. 漂泊者(アウトロー)
<ENCORE>
19. きんぽうげ
20. 無法者の愛
21. 観覧車’82
22. 破れたハートを売り物に
WOWOW番組情報
●甲斐バンド「NEVER END BEATNIK TOUR 08-09 -THE ONE NIGHT STAND- Live at BUDOKAN」
9月8日(金)午後5:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド] ※リピート放送
★10月7日(土)までWOWOWオンデマンドでアーカイブ配信中
⇒https://wod.wowow.co.jp/program/191713
収録日:2009年2月7日
収録場所:東京 日本武道館
●甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂
9月8日(金)午後7:45 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド] ※リピート放送
収録日:収録日:2023年7月1日
収録場所:東京 日比谷野外大音楽堂
※全番組、放送終了後〜WOWOWオンデマンドで1カ月間アーカイブ配信あり
<番組サイト>
https://www.wowow.co.jp/music/kai/
●甲斐バンド「NEVER END BEATNIK TOUR 08-09 -THE ONE NIGHT STAND- Live at BUDOKAN」
9月8日(金)午後5:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
●甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂
9月8日(金)午後7:45 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
来年デビュー50周年を迎える甲斐バンドが敢行した、1985年に開催した「BEATNIK TOUR」のセットリストを再現するプレミアムライブ。ステージで提示された彼らの新たな決意表明とは
[画像1: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-56b2983318b69d9c6fb7-0.jpg ]
日本のロックシーンの歴史を紐解く上で、その存在抜きには語れないレジェンドがいる。それが甲斐よしひろ率いる甲斐バンドだ。
カルチャーとしてもビジネスとしても未整備であった70年代から80年代半ばの音楽業界。その中で、大いなる野心と反骨心を胸に、彼らは前例無き挑戦に挑み続けた。
無謀と言われながら開催した大規模コンサート。ニューヨーク3部作に代表される極限まで“音”を突き詰めたアルバム制作。甲斐バンドが駆け抜けた日々は、今なお人々の記憶に鮮明に刻まれている。
バンドブーム前夜の1985年。彼らは11枚目のオリジナル・アルバム『ラヴ・マイナス・ゼロ』をリリース。ツアーファイナルでは、両国“新”国技館のこけら落としとして『BEATNIK TOUR in 両国国技館』を開催した。
名実共にナンバーワンバンドとして君臨していた彼らのこの公演は、ひとつの“到達点”とも言えるものだった。
あれから38年。今年7月1日、彼らは当時のセットリストを再現するライブを敢行。会場は開設100周年を迎え、建て替え直前の日比谷野外大音楽堂。特別な場所で、プレミアムな公演が開催された。
[画像2: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-c597ec11f87217b10eae-1.jpg ]
開演直前、詰めかけた満場の観衆の熱気が頭上を覆う雨雲を蹴散らしていく。バンドがグルーヴィーなうねりを奏でる中、甲斐がステージに登場する。1曲目は「野獣」。客席の呼応が早くも熱い。続く「ランデヴー」はアルバム『破れたハートを売り物に』収録の疾走感あふれるナンバー。ツインギターの鳴りも抜群だ。甲斐の味わい深いヴォーカルとハーモニカが日比谷の空に舞い上がり、冒頭2曲で38年の時空が繋がっていく。
[画像3: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-7a412703085f74563c31-2.jpg ]
短いMCの後、ストリート・ロックの名曲「キラー・ストリート」から小林旭のカバー曲「ダイナマイトが150屯」へ。リズム隊が刻む強靭な屋台骨にキーボードのフレーズが重なり、野音が燃え上がる。
ニール・ドーフスマンがミックスを手掛けたことでも知られるダンサブルな「フェアリー(完全犯罪)」を経て、カッティングエッジなギターが印象的な「ボーイッシュ・ガール」へ。彼らの実験的な音作りが後世にもたらしたものはあまりに大きい。改めて痛感する。
[画像4: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-f0bd9c0c305bee24a43c-3.jpg ]
田中一郎のヴォーカルとギターソロが光った「悪夢」を経て、抒情的な世界観で描く「ナイト・ウェイブ」へ。ボブ・クリアマウンテンのN.Y.ミックスダウンにより、洗練されたサウンドに酔いしれた記憶がよみがえる。名バラード「荒野をくだって」では、一音たりとも聞き逃すまいと演奏に聴き入る聴衆たち。歌い終わった甲斐に多くの歓声が注がれる。
[画像5: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-86c82a701b089ec503ef-4.jpg ]
メンバー紹介を経て披露された「BLUE LETTER」そして「ラヴ・マイナス・ゼロ」も素晴らしかった。甲斐の歌に寄り添うような温かい演奏が心に沁みた。
甲斐バンドは国民的大ヒット曲のイメージもあり、熱いロックンロールのイメージが強いかもしれない。しかし、抜け感の強いバンドアンサンブルもまた彼らの真骨頂だ。強く深く頷く聴き手の姿があちこちで目についた。
一転して場内を横揺れさせる「Try」、高揚感が徐々に高まる「デッド・ライン」、スリリングな「冷血(コールド・ブラッド)」と、アルバム『ラヴ・マイナス・ゼロ』収録曲が続く。彼らの“極み”とも言える作品たちだ。
7枚目のシングル「氷のくちびる」、デビューのきっかけとなった「ポップコーンをほおばって」、甲斐よしひろが持つ漂流者の美学が結実した「翼あるもの」は70年代を代表する楽曲。甲斐が放つ言葉たちが加速し、バンドを引っ張っていく。
[画像6: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-237e0949a6e2d184194f-5.jpg ]
ハイライトは「漂泊者(アウトロー)」だった。愛を渇望する切迫した想い。痛い程ヒリヒリした歌が心に突き刺さる。声出しが解禁されたコンサート、誰もが甲斐を追うように「愛をくれよ」と続く。すべての叫びが木魂する荘厳な光景が展開され、本編は終了した。
しばしの余韻後、アンコールに応え黒いシャツ姿で舞台に戻った甲斐は、鮮やかな黄金色を放つ毒草をモチーフに男女のあやを描いた「きんぽうげ」を歌う。
続いて演奏されたのは、いわゆる“ニューヨーク3部作”第一弾アルバム『虜-TORIKO-』に収録された「無法者の愛」「観覧車’82」。サキソフォーンがフィーチャーされた都会的なサウンドが響き渡る。まさにクライマックスへと誘うようなスケールの大きな演奏に全員が酔いしれる。
[画像7: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-ac3f72b39935be0b141c-6.jpg ]
ステージが暗転し、甲斐よしひろ、松藤英男、田中一郎の3人が前方に立つ。声を合わせて歌い始めたのは「破れたハートを売り物に」だ。発表されてから40年以上演奏され、そしていつしか「約束の歌」ともなったアンセムでコンサートは終了した。
“BEATNIK”を掲げ、常に極限の状況下を妥協なく進んできた甲斐バンド。先陣を切って向かい風に抗い、傷跡すらも勲章として掲げて来た。そして、今回のプレミアム公演で、また新たな決意表明すら伝わって来た気がした。
「老いぼれるなよ、みんな!」ステージで甲斐が叫んだ言葉が、終演後も心の中でリフレインを重ねていた。衝動や渇望を抱えながら転がり続けて来た甲斐バンドは、これからもずっと旅路の途上にある。そう、それはまさしく僕らの人生と同じようにー
[画像8: https://prtimes.jp/i/1355/7394/resize/d1355-7394-1e5dd3ce416545632d98-7.jpg ]
撮影:三浦麻旅子
「甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂」
▼セットリスト
01. 野獣
02. ランデヴー
03. キラー・ストリート
04. ダイナマイトが150屯
05. フェアリー(完全犯罪)
06. ボーイッシュ・ガール
07. 悪夢
08. ナイト・ウェイブ
09. 荒野をくだって
10. BLUE LETTER
11. ラヴ・マイナス・ゼロ
12. Try
13. デッド・ライン
14. 冷血(コールド・ブラッド)
15. 氷のくちびる
16. ポップコーンをほおばって
17. 翼あるもの
18. 漂泊者(アウトロー)
<ENCORE>
19. きんぽうげ
20. 無法者の愛
21. 観覧車’82
22. 破れたハートを売り物に
WOWOW番組情報
●甲斐バンド「NEVER END BEATNIK TOUR 08-09 -THE ONE NIGHT STAND- Live at BUDOKAN」
9月8日(金)午後5:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド] ※リピート放送
★10月7日(土)までWOWOWオンデマンドでアーカイブ配信中
⇒https://wod.wowow.co.jp/program/191713
収録日:2009年2月7日
収録場所:東京 日本武道館
●甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂
9月8日(金)午後7:45 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド] ※リピート放送
収録日:収録日:2023年7月1日
収録場所:東京 日比谷野外大音楽堂
※全番組、放送終了後〜WOWOWオンデマンドで1カ月間アーカイブ配信あり
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