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家族コミュニケーションに関する意識調査:家族とのコミュニケーションにITツールを毎日活用する 「オンライン家族」が登場!?  コミュニケーション満足度は74点と高水準

2012年はモバイル端末の普及やSNS利用者の拡大により家族間のコミュニケーションにも変化の兆しがみられそうです。そこで、最近の家族コミュニケーションについて、ITツールと家族コミュニケーション関係を研究するお茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科石井クンツ昌子教授監修のもと調査を行いました。
【調査概要】
1.調査の方法:株式会社メディアインタラクティブの運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
2.調査の対象:全国の30歳〜49歳の既婚男女
3.有効回答数:1200名
4.調査実施日:2012年1月26日(木)〜1月27日(金)
【調査結果概要】
1.家族コミュニケーション満足度 平均点数は69.0点、 妻と夫の比較では妻の方が家族への不満やコミュニケーションの不安を感じる傾向に
現在の家族コミュニケーションについてどの程度満足しているかを既婚男女に尋ねた処100点満点中の平均点数は全体で69.0点。夫婦でみると妻67.3点、夫70.7点と3.4ポイント差で夫の方が満足度の高い結果。満足度に差がある背景には「妻の方が夫から情緒的なサポートを十分に得ていない」ことが考えられます。
2.毎日家族とITツールを用いて積極的にコミュニケーションをとる「オンライン家族」、コミュニケーション満足度平均点数は74.0点と高水準
石井教授の調査結果分析によると家族コミュニケーションに「PCや携帯電話スマートフォンタブレット端末」などのITツールを“毎日”使っている「オンライン家族」が35.8%いることがわかりました。「オンライン家族」は家族の予定や情報を把握し家族一緒にお出かけや記念日を楽しむ人が多くコミュニケーションへの高い意識をもっているようです。ITツールの積極的な活用が家族コミュニケーションの活性化に寄与しているのかもしれません。「オンライン家族」のコミュニケーション満足度の平均点数は74.0点と高く“2〜3日に1回以下”の頻度で使っている人との差は7.8ポイント差であったことがわかりました。
3.“家族とのコミュニケーションを増やしたい”更に“家庭で使いやすいITツールがあれば使ってみたい”と思う「オンライン家族」予備軍は41.2%
家族コミュニケーションにITツールを“2〜3日に1回以下”の頻度で使っている人の中には今よりも“家族とのコミュニケーションを増やしたい”と思っており更に“家族で使える”“家族コミュニケーションに役立つ”など「家庭で使いやすいITツールがあれば使ってみたい」と思っている「オンライン家族」予備軍が41.2%いることがわかりました。ITツールを通じ家族コミュニケーションを活性化させたいと考える人は多いようです。
【調査結果と考察】
Q. 家族に対してどのような不満をもっていますか。【N=1200】
Q. 家族とのコミュニケーションで不安に感じていることはありますか。【N=1200】
妻の方が家族に対して不満に思うポイントが高い。「家事を当たり前と思われている」は64.2%が不満に感じている。コミュニケーションで不安に感じるポイントも妻の方が比較的高い傾向。「喧嘩や口論になることが多い」は妻と夫で6.7ポイントの差。
石井教授は妻の方が「夫に自分の悩みなどを受け入れられていない」や「夫の悩みを聞くほどには自分の悩みを夫に聞いてもらっていない」と感じることが多い、つまり妻の方が夫から情緒的なサポートを十分に得ていないと考えている場合が多いことが一つの大きな理由であると分析。
Q. ふだん家族ととるコミュニケーション(ITツール利用頻度別)
「PCや携帯電話スマートフォンタブレット端末」などのITツールを家族コミュニケーションに“毎日”使う人はふだん家族ととるコミュニケーションの内容が“2〜3日に1回以下”使う人よりもポイントが高い。とくに双方のギャップが大きいのが「休日は買い物や外食など家族でよく出かける」(19.5ポイント差)「家族の予定を共有し合う」(17.0ポイント差)。また家族と一緒にとる行動や会話の頻度が高く家族の予定や情報を把握する傾向にあり家族一緒のお出かけや記念日を楽しむ傾向。このようにITツールを“毎日”使う人はコミュニケーションへの高い意識をもっておりITツールの積極的な活用が家族コミュニケーションの活性化に寄与しているのかもしれません。
Q. 家族とのコミュニケーションで不安に感じていること (ITツール利用頻度別)
「 PCや携帯電話スマートフォンタブレット端末」などのITツールを家族コミュニケーションに“毎日”使う人は“2〜3日に1回以下”使う人に比べ家族とのコミュニケーションに関して不安に感じているポイントが全体的に低いことがわかりました。“毎日”利用している人の約3割は家族と「一緒にいる時間が少ない」という回答をしている一方で家族内での口論会話量が少ないこと家族との連絡のとり方や会話内容などに対する不安度は低く、日頃のITを活用したコミュニケーションがこれらの不安を少なくさせているようです。このようにITツールを積極的に活用する人々は「オンライン家族」ともよべるでしょう。
Q. スマートフォンやタブレット端末をどの程度使いこなせているか【N=1200】
ここ数年普及してきたスマートフォンやタブレット端末について機能やサービスをどの程度使えているかを尋ねた処「細かい機能やサービスまで把握し使いこなせている」人は18%程度にとどまり気に入ったアプリケーションを使える人は24%、通話やメールインターネット検索などが使える人は13%と全体で37%の人がある程度の機能を使っている。その一方約4割の人が使いこなせていないあるいはまだ利用していない状況。
Q. どのようなITツールであれば使ってみたいか【N=1200】
使ってみたいITツールについて尋ねた処操作や持ち運びの簡易さに加え「家族みんなで使える」、「写真や映像が簡単に見られる」、「遠隔から子どもの様子がわかる」、「家族のスケジュールが一覧で見られる」など家族で使え家族コミュニケーションに役立つということも使ってみたいITツールのポイントとして挙げています。全体でみると74.4%が便利で家族コミュニケーションに役立つITツールへの利用意向を示しています。ITツールを通じて家族コミュニケーションを活性化させたいと考える人は多いのかもしれません。
【石井クンツ昌子氏より解説】
●コミュニケーションへの意識が強い「オンライン家族」
「オンライン家族」は他の家族と比べて家族の予定を共有し合うことお互いの悩みを相談し合うこと家族共通の趣味や習い事を一緒に楽しむことなどが多いといった特徴があることがわかりました。このようにITツールを触媒としてコミュニケーションをとり合う「オンライン家族」は家族同士のコミュニケーションに対する意識が強く情報の共有が上手くできている家族と呼べるでしょう。またふだんITツールは使いつつも家族とのコミュニケーションではいかしきれていないでもより家庭で使える便利なツールがあれば使ってみたいという「オンライン家族」予備軍も半数近くいることがわかりました。
●家族の為に使えるITツールやアプリケーションの活用がコミュニケーションをより豊かに
研究プロジェクトチームが行った育児期の父親と母親を対象とした「インターネットと家庭生活に関する調査」では父親はITツールを利用して子どもと遊びに行く場所の検索や保育園幼稚園町内会での行事についての情報交換をすることが多く母親は自分の親へ家族の写真を送ったり育児書では対応できないようなアドバイスを得たり病院の待ち時間や交通乗り換えを確認するなどの地域に密着した生活情報を収集していることがわかっています。このようにITツールの活用は家族間のコミュニケーションを豊かにし家族の情報共有を促進させ生活に役立つ情報の検索や収集を可能にしているようです。日常の生活で家族の為に使えるITツールやアプリケーションの活用がこれからの家族間のコミュニケーションをより豊かにすることにつながると予想します。また妻の夫婦間コミュニケーション満足度が夫と比べて低い傾向にあるので女性が夫からの様々なサポートを得ることが可能になるような環境づくりが大切です。その為に今後はITツールを活用したコミュニケーションが重要になってくるでしょう。
■監修者プロフィール
石井クンツ昌子 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授
家族社会学的見地から家庭内でのジェンダー構築そしてその再生産プロセスについての理論を援用した実証研究をしている。とくに家庭内の性別役割分担や父親の育児・家事参加に焦点を置き日米などの国際比較をする。育児期の父親と母親がITツールを活用してどのような子育てをしているかの日米比較研究も現在進行中。『IT社会における育児期のインフォーマルネットワークと世代関係:日米比較から』報告書論文「共働き家庭における男性の育児参加」渡辺秀樹稲葉昭英嶋崎直子編(2004年)「父親の役割と子育て参加:その現状と規定要因家族への影響」(2009年)などを多数発表。
【調査結果表などの詳細について】本調査結果表などの詳細は、別添PDFファイルをご参照ください。
【引用・転載時のクレジット表記のお願い】
本リリースの引用・転載は必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。 <例> 「インターネット調査のメディアインタラクティブが実施した調査結果によると〜
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