NYの視点:市場関係者は米利上げ時期の見通し先送り
[14/10/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
米連邦公開市場委員会(FOMC)の大半のメンバーは米国経済の回復に関して懐疑的、少なくとも警戒している。最新の経済指標はまちまち。一部の経済指標は米国経済が異例な寒波により予想外のマイナス成長に落ち込んだ1月以来の低水準に戻っている兆候も見られる。米商務省が発表した9月耐久財受注も前月比1.3%減と、予想外に8月の18.3%減に続き2か月連続で減少した。変動の激しい輸送用機器を除いた受注も前月比0.2%減と、予想外に8月の0.7%増から減少に転じた。世界経済の低迷が米国経済に与える悪影響を警戒、また、オバマケア(医療保険制度改革)などが影響し企業は投資を控えている。
企業の設備投資の先行指標となる航空機を除いた非国防資本財受注は前月比1.7%減と、予想外に8月の0.3%増から減少に転落。また、下落率は1月来で最大となった。1月は米国経済が異例な悪天候で、予想外のマイナス成長に落ち込んだ月。国内総生産(GDP)の算出に用いられる非国防資本財出荷は前月比0.1%減と、予想外に8月の0.1%増から4月来のマイナスに落ち込んだ。このため、今週末に商務省が発表する7-9月期国内総生産(GDP)の予想が引き下げられた。ゴールドマンサックスは早速、見通しを従来の3.3%成長から3.2%成長へ引き下げ。JPモルガンチェースも2.9%と、従来の3%から引き下げた。10−12月期は3%成長を予想している。
FOMC開催を前に、39人のマネーマネジャー、エコノミストなどを対象に米国の経済専門局であるCNBCが実施した世論調査で、回答者の多くが最初の利上げ時期の見通しを前回調査から先送りしたほか、利上げペースを引き下げた。10月の調査では回答者が2015年7月に最初の利上げを予想している。9月調査では6月だった。また、2015年度の利上げ幅は0.89ベーシスポイントと、前回の0.98ベーシスポイントから引き下げられた。ただ、量的緩和第3弾(QE3)に関しては、回答者の97%が10月会合で終了すると見ており、「サプライズは2015年度にFOMCが利上げを開始しないことになるだろう」と、一部の回答者は指摘している。
◎CNBC市場関係者の世論調査
■10月会合で量的緩和第3弾(QE3)終了
はい:97%(前回95%)
■今後2年以内に米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和第4弾(QE4)を導入する確率
18.4%(9月14%)
■フォワードガイダンスで「considerable time」との文言削除
10月会合:23%
12月会合:41%
1月:13%
1月以降:21%
■FF金利誘導目標見通し
2014年末:0.10%(前回0.14%)
2015年末:0.89%(0.98%)
2016年末:2.04%(2.13%)
■成長見通し
2014年:2.28%(前回2.26%)
2015年:2.9%(2.9%)
■CPI見通し
2014年:1.77%(前回1.99%)
2015年:2.01%(2.27%)
■今後12か月間に景気後退(リセッション)に陥る確率
15.1%(前回15.0%)
■欧州中央銀行(ECB)による量的緩和導入の可能性
あり:74%
なし:15%
わからない:10%
■米国経済への脅威
欧州のリセッション:31%(前回6%)
税制:18%(26%)
低調な雇用の伸び:15%(29%)
インフレ:3%(6%)
デフレ:3%(3%)
地政学的リスク:10%(6%)
■米10年債利回り見通し
2014年末
2.49%(前回2.76%、2013年12月調査:3.44%)
2015年6月
2.90%(前回3.16%)
2015年末
3.19%(前回3.45%)
■S&P500種指数
年末1999(前回2032)
2015年末2111(前回2149)
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