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サイバリンクス Research Memo(1):今期は特需反動減・先行投資負担で減益予想だが受注は順調で明るい見通し

注目トピックス 日本株
サイバーリンクス<3683>は、流通業と官公庁向けに基幹業務システム等のクラウドサービスを提供するITサービス会社。主力のクラウド事業は食品小売業など圧倒的な市場No.1になれる特定分野に的を絞り、過去の事業展開において培った経験、業務ノウハウを標準化し、サービスを共同利用型(シェアクラウド)により安価に全国規模で提供する体制を整えている。また、和歌山県下で7店舗のドコモショップの運営も行う。2014年3月に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に株式を上場、2015年10月には同市場第1部へ上場した。

2015年12月期業績は、売上高で前期比5.0%増の9,296百万円、営業利益で同21.6%増の734百万円と増収、2ケタ営業増益となり、前期に続き過去最高業績を更新した。官公庁向けで高収益のシステム開発案件のほか複数の大型工事案件があったことに加えて、流通向けも「@rms(アームズ)基幹」などのサービスの導入が順調に進み堅調に推移したことで、ITクラウド事業が前期比で32.8%の大幅増益となったことが主要因。加えて、モバイルネットワーク事業もスマートフォン等の販売台数の増加や高採算の周辺商材の販売好調により、同14.7%増益と2ケタ増益を確保したこともプラス寄与した。

2016年12月期業績については、売上高で前期比3.2%増の9,590百万円、営業利益で同32.0%減の500百万円と増収ながら、2ケタの営業減益を予想。2ケタ減益は、ITクラウド事業で前期にあった官公庁向けの収益性の高いシステム開発案件や複数の大型工事案件の反動減を見込むことに加えて、モバイルネットワーク事業でドコモショップ店舗大型化の設備投資を計画している、などがマイナス要因として働くことによる。弊社では、複数案件の引合いが活発化している点や、モバイルネットワーク事業でNTTドコモ<9437>からのインセンティブを保守的に見ている点などを考慮すると、会社計画は保守的で上振れ余地があるとみている。

2015年12月期決算発表と同時に2016年度から2020年度までの5ヶ年の中期経営計画が発表された。シェアクラウドによるサービスの積極展開を図ることで、2020年度に売上高107億円(定常収入比率46.1%)、経常利益11億円(経常利益率10.2%)、ROE15%以上を目標としている。2020年は現在のモバイルの安定収益をベースにITクラウドを伸ばすという戦略、及び収益構造が変化する転換点で、中期経営計画の5ヶ年はそれ以降の新たな事業成長を目指す土台作りの期間と考えられる。このため、弊社は同社の中長期的な動向を占う手掛かりとして、流通クラウド分野における「@rms基幹次期バージョン」や「C2Platform」などの新サービスの今後の受注動向について注目している。

■Check Point
・2015年度は上場来連続で過去最高業績を更新
・2016年度は特需の反動減、積極的な投資による費用増で増収ながら2ケタ営業減益を予想
・5ヶ年の中期経営計画は2020年度の経常利益11億円を目標。流通分野の拡大による収益構造の改革を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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