安田倉庫 Research Memo(5):全てのステークホルダーの期待を超える企業グループへの成長を目指す
[21/06/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■長期ビジョン
1. 「長期ビジョン2030」
安田倉庫<9324>を取り巻く事業環境は、国内においては労働力不足などを背景に多様な働き方の推進やAI・ロボティクスといった新技術の活用が進むとともに、顧客からはこれまで以上に付加価値の高いサービスの提供が期待されている。また海外においては、アジアを中心とする人口増加に伴う急速な経済発展などにより、貿易量や域内消費市場の更なる拡大が見込まれている。このような外部環境変化のもと、2019年12月に創立100周年の節目を迎えた同社は、次の100年の成長に向けた事業体制の構築と更なる成長を目指し、2030年のあるべき姿としての「長期ビジョン2030」を策定した。合わせて、企業理念である「信頼・創造・挑戦」を基本に、コーポレートスローガン「Logistics, Progress, Borderless.」を制定した。新たな技術や事業領域に果敢に挑戦し、付加価値を創造することで、顧客から信頼される企業グループへと進化することを目標とし、“世界に誇れる「YASDAブランド」と革新的テクノロジーの融合で、全てのステークホルダーの期待を超える企業グループ”へと成長していくことを目指している。
また同社は、長期ビジョンを実現するための中間目標として、2020年3月期からの3年間を対象に中期経営計画「YASDA Next 100」を策定し、最終年度の2022年3月期には営業収益550億円、営業利益40億円の達成を目指している。コロナ禍の影響により数値目標の達成は厳しい状況であるものの、「YASDA Next 100」の基本目標である「お客様の潜在的なロジスティクス・ニーズを捉えたスピーディーな課題解決」「保有不動産の資産価値向上による収益基盤の強化」「グローバルに渡り合えるグループ経営インフラの確立」は着実に進捗している。具体的には、物流事業において、アジアでのネットワーク拡充やソリューション提案の強化、アライアンスの拡張などによって顧客に潜在する課題を解消し、付加価値の高いサービスを提供して取引を拡大、加えて国内外における物流施設の拡充など事業基盤を強化している。また、不動産事業では、適切なメンテナンスや機能向上を進め、既存施設の稼働率の維持・向上を推進する一方、好立地が多い同社保有不動産の資産価値を生かした再開発などにより、安定収益基盤を構築している。
2. ESG経営
「長期ビジョン2030」を達成するためには、グローバルにわたり合えるグループ経営インフラを確立する必要がある。そのため同社は、ESG(Environment、Social、Governance)経営に軸足を置き、コンプライアンス体制や財務基盤の構築を進めている。
2020年2月には、取締役の指名・報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化し、コーポレートガバナンスの更なる充実を図るため、指名・報酬諮問委員会を設置した。また同年6月には、経営の効率化と意思決定の迅速化を図ることを目的に執行役員制度を導入し、経営の意思決定及び監督機能と業務執行機能を明確化した。合わせて、取締役及び取締役を兼務しない執行役員の報酬と同社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、役員が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的に、株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」も導入している。
社会貢献活動としては、本社が所在する周辺や公園の清掃活動を継続して行っている。また、神奈川県から福岡県までの在庫移動に際して、海上輸送を利用することでCO2の削減に貢献したとして、エコシップマーク優良事業者として認定された。また、ホワイト物流推進運動への参加により、トラック運転手不足が深刻になっている現状に対し、物流の改善提案やモーダルシフトなどの取り組みによる効率的なサプライチェーンによって持続可能な物流の実現を目指している。
なお、全世界でのコロナ禍に伴いマスクが入手困難となるなか、同社倉庫作業員のために用意していたマスクの一部を倉庫拠点のある上海の現地中学校へ寄付するなど、社会活動にも積極的である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<YM>
1. 「長期ビジョン2030」
安田倉庫<9324>を取り巻く事業環境は、国内においては労働力不足などを背景に多様な働き方の推進やAI・ロボティクスといった新技術の活用が進むとともに、顧客からはこれまで以上に付加価値の高いサービスの提供が期待されている。また海外においては、アジアを中心とする人口増加に伴う急速な経済発展などにより、貿易量や域内消費市場の更なる拡大が見込まれている。このような外部環境変化のもと、2019年12月に創立100周年の節目を迎えた同社は、次の100年の成長に向けた事業体制の構築と更なる成長を目指し、2030年のあるべき姿としての「長期ビジョン2030」を策定した。合わせて、企業理念である「信頼・創造・挑戦」を基本に、コーポレートスローガン「Logistics, Progress, Borderless.」を制定した。新たな技術や事業領域に果敢に挑戦し、付加価値を創造することで、顧客から信頼される企業グループへと進化することを目標とし、“世界に誇れる「YASDAブランド」と革新的テクノロジーの融合で、全てのステークホルダーの期待を超える企業グループ”へと成長していくことを目指している。
また同社は、長期ビジョンを実現するための中間目標として、2020年3月期からの3年間を対象に中期経営計画「YASDA Next 100」を策定し、最終年度の2022年3月期には営業収益550億円、営業利益40億円の達成を目指している。コロナ禍の影響により数値目標の達成は厳しい状況であるものの、「YASDA Next 100」の基本目標である「お客様の潜在的なロジスティクス・ニーズを捉えたスピーディーな課題解決」「保有不動産の資産価値向上による収益基盤の強化」「グローバルに渡り合えるグループ経営インフラの確立」は着実に進捗している。具体的には、物流事業において、アジアでのネットワーク拡充やソリューション提案の強化、アライアンスの拡張などによって顧客に潜在する課題を解消し、付加価値の高いサービスを提供して取引を拡大、加えて国内外における物流施設の拡充など事業基盤を強化している。また、不動産事業では、適切なメンテナンスや機能向上を進め、既存施設の稼働率の維持・向上を推進する一方、好立地が多い同社保有不動産の資産価値を生かした再開発などにより、安定収益基盤を構築している。
2. ESG経営
「長期ビジョン2030」を達成するためには、グローバルにわたり合えるグループ経営インフラを確立する必要がある。そのため同社は、ESG(Environment、Social、Governance)経営に軸足を置き、コンプライアンス体制や財務基盤の構築を進めている。
2020年2月には、取締役の指名・報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化し、コーポレートガバナンスの更なる充実を図るため、指名・報酬諮問委員会を設置した。また同年6月には、経営の効率化と意思決定の迅速化を図ることを目的に執行役員制度を導入し、経営の意思決定及び監督機能と業務執行機能を明確化した。合わせて、取締役及び取締役を兼務しない執行役員の報酬と同社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、役員が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的に、株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」も導入している。
社会貢献活動としては、本社が所在する周辺や公園の清掃活動を継続して行っている。また、神奈川県から福岡県までの在庫移動に際して、海上輸送を利用することでCO2の削減に貢献したとして、エコシップマーク優良事業者として認定された。また、ホワイト物流推進運動への参加により、トラック運転手不足が深刻になっている現状に対し、物流の改善提案やモーダルシフトなどの取り組みによる効率的なサプライチェーンによって持続可能な物流の実現を目指している。
なお、全世界でのコロナ禍に伴いマスクが入手困難となるなか、同社倉庫作業員のために用意していたマスクの一部を倉庫拠点のある上海の現地中学校へ寄付するなど、社会活動にも積極的である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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