エーザイ、自社創製の「DAYVIGO(TM)」(一般名:レンボレキサント)成人患者様に対する不眠症治療薬として、米国において新発売
[20/06/02]
TOKYO, Jun 2, 2020 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、米国子会社エーザイ・インクが自社創製のオレキシン受容体拮抗薬「DAYVIGOTM」(一般名:レンボレキサント)について、入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方を伴う成人の不眠症の適応で、6月1日に米国において、新発売したことをお知らせします。
「DAYVIGO」は、当社筑波研究所にて創製された低分子化合物で、脳内で覚醒に関与するオレキシン受容体1の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤です。オレキシン1および2受容体双方の阻害作用によって、過度な覚醒状態を緩和します。本剤は、ノンレム睡眠の抑制に関与するオレキシン2受容体への阻害活性がより強く、速やかな入眠および十分な睡眠維持をもたらすと考えられています。
米国食品医薬品局(FDA)による「DAYVIGO」の承認は、合計約2,000人の不眠症の成人患者様を対象に実施した2つのピボタル臨床第III相試験2(SUNRISE1試験およびSUNRISE2試験)の結果に基づくものです。
SUNRISE1試験は、DSM-5*基準により不眠症と診断された55歳以上の不眠症患者様1,006人を対象に、「DAYVIGO」の有効性および安全性を評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬(ゾルピデム徐放製剤6.25mg)およびプラセボ対照、並行群間比較臨床第III相試験です。主要評価項目として、1カ月投与の最後の2日間における睡眠潜時(就床から入眠までの時間)の投与前からの変化量について、睡眠ポリグラフによる終夜測定を用いて客観的に評価しました。副次評価項目として、1カ月投与の最後の2日間における平均睡眠効率(就床時間に対する全睡眠時間)と中途覚醒時間について、睡眠ポリグラフを用いて客観的に評価しました。本試験の結果、「DAYVIGO」(5mg、10mg)投与群は、主要評価項目ならびに副次評価項目を達成し、睡眠潜時、睡眠効率および中途覚醒時間について、実薬投与群およびプラセボ投与群に対して有意に優れていることが確認されました。
SUNRISE2試験は、DSM-5基準により不眠症と診断された18歳以上の不眠症患者様949人を対象に「DAYVIGO」の有効性および安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、並行群間比較、6カ月間の臨床第III相試験です。主要評価項目として、睡眠潜時の投与前からの平均変化量について、患者様の睡眠日誌を用いて主観的に評価しました。副次評価項目として、睡眠効率および中途覚醒時間の投与前からの変化量について、患者様の睡眠日誌を用いて主観的に評価しました。本試験の結果、「DAYVIGO」(5mg、10mg)投与群は、主要評価項目ならびに副次評価項目を達成し、睡眠潜時、睡眠効率および中途覚醒時間について、プラセボ投与群に対して統計学的に有意に優れていることが確認されました。また、長期投与時における「DAYVIGO」の効果は投与初期と同様でした。
両試験において、薬剤の投与中止により投与前よりも強い不眠症状が現れる反跳性不眠は確認されず、またいずれの「DAYVIGO」投与群においても投与中止後の離脱症状は見られず、最長1年間投与している患者様においても、身体的依存を引き起こさないことが示唆されました。「DAYVIGO」は、ピボタル臨床試験で12カ月の安全性データおよび6カ月の入眠および睡眠維持の有効性データをもってFDAに承認された最初の不眠症治療薬です。
SUNRISE1試験およびSUNRISE2試験(SUNRISE2試験は投与開始から30日)での「DAYVIGO」投与群において5%以上の発現率で、かつプラセボ投与群と比べて少なくとも2倍の頻度で報告された有害事象は傾眠でした(「DAYVIGO」10mg投与群:10%、「DAYVIGO」5mg投与群:7%、プラセボ投与群:1%)。
安全性として、「DAYVIGO」(5mg、10mg)投与による健康成人または高齢者の翌朝の自動車運転能力への影響が評価され(106試験3)、10mgを服用している一部の被験者に自動車運転能力の低下が確認されましたが、いずれの「DAYVIGO」投与群においてもプラセボ投与群と比較して統計学的に有意な低下は確認されませんでした。さらに夜間覚醒時および翌日の姿勢安定性(ふらつき、転倒リスクの予測因子)や記憶力などの持ち越し効果についても評価され(108試験4)、「DAYVIGO」投与群は、夜間覚醒時には、患者様は姿勢が不安定になる可能性、注意力および記憶障害について注意する必要がある一方、翌日のふらつきおよび記憶力についてプラセボ投与群と比較して問題となるような悪化は見られませんでした。
「DAYVIGO」(5mg錠および10mg錠剤)は、2019年12月にFDAより新薬承認を取得し、米国麻薬取締局(the U.S. Drug Enforcement Administration:DEA)による規制物質法に基づくスケジュール審査により、2020年4月にスケジュールIV医薬品に分類されました。この分類では、アルコールや他の薬物の乱用もしくは依存症の既往歴がある方は、乱用および依存症が生じるリスクがあり、そのような患者様への「DAYVIGO」の投与においては、注意深い経過観察が必要です。日本においては、2020年1月に不眠症治療薬として製造販売承認を取得し、4月に薬価収載され、現在発売準備中です。また、カナダにおいては2019年8月に新薬承認申請を行っています。
不眠症は、睡眠をとる十分な機会があるにもかかわらず、入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方に苦しむことが特徴です5、6。罹患頻度の高い代表的な睡眠障害のひとつで、全世界で成人の約30%の方が不眠症の症状を有し7、8、特に高齢者の有病率は高い傾向にあり、多くの場合、その症状は数カ月から数年にわたります。その結果、不眠症は、長期欠勤や生産性の低下などのさまざまな社会的損失をもたらすことが明らかとなっています。
当社は、「DAYVIGO」の新発売を機に、不眠症の患者様に、速やかな入眠と良質な睡眠維持によってもたらされる日中の活力ある生活をお届けし、患者様のリワーク/リカバリーに貢献してまいります。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2020/news202025.html
概要:エーザイ株式会社
詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。
Copyright 2020 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
「DAYVIGO」は、当社筑波研究所にて創製された低分子化合物で、脳内で覚醒に関与するオレキシン受容体1の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤です。オレキシン1および2受容体双方の阻害作用によって、過度な覚醒状態を緩和します。本剤は、ノンレム睡眠の抑制に関与するオレキシン2受容体への阻害活性がより強く、速やかな入眠および十分な睡眠維持をもたらすと考えられています。
米国食品医薬品局(FDA)による「DAYVIGO」の承認は、合計約2,000人の不眠症の成人患者様を対象に実施した2つのピボタル臨床第III相試験2(SUNRISE1試験およびSUNRISE2試験)の結果に基づくものです。
SUNRISE1試験は、DSM-5*基準により不眠症と診断された55歳以上の不眠症患者様1,006人を対象に、「DAYVIGO」の有効性および安全性を評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬(ゾルピデム徐放製剤6.25mg)およびプラセボ対照、並行群間比較臨床第III相試験です。主要評価項目として、1カ月投与の最後の2日間における睡眠潜時(就床から入眠までの時間)の投与前からの変化量について、睡眠ポリグラフによる終夜測定を用いて客観的に評価しました。副次評価項目として、1カ月投与の最後の2日間における平均睡眠効率(就床時間に対する全睡眠時間)と中途覚醒時間について、睡眠ポリグラフを用いて客観的に評価しました。本試験の結果、「DAYVIGO」(5mg、10mg)投与群は、主要評価項目ならびに副次評価項目を達成し、睡眠潜時、睡眠効率および中途覚醒時間について、実薬投与群およびプラセボ投与群に対して有意に優れていることが確認されました。
SUNRISE2試験は、DSM-5基準により不眠症と診断された18歳以上の不眠症患者様949人を対象に「DAYVIGO」の有効性および安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、並行群間比較、6カ月間の臨床第III相試験です。主要評価項目として、睡眠潜時の投与前からの平均変化量について、患者様の睡眠日誌を用いて主観的に評価しました。副次評価項目として、睡眠効率および中途覚醒時間の投与前からの変化量について、患者様の睡眠日誌を用いて主観的に評価しました。本試験の結果、「DAYVIGO」(5mg、10mg)投与群は、主要評価項目ならびに副次評価項目を達成し、睡眠潜時、睡眠効率および中途覚醒時間について、プラセボ投与群に対して統計学的に有意に優れていることが確認されました。また、長期投与時における「DAYVIGO」の効果は投与初期と同様でした。
両試験において、薬剤の投与中止により投与前よりも強い不眠症状が現れる反跳性不眠は確認されず、またいずれの「DAYVIGO」投与群においても投与中止後の離脱症状は見られず、最長1年間投与している患者様においても、身体的依存を引き起こさないことが示唆されました。「DAYVIGO」は、ピボタル臨床試験で12カ月の安全性データおよび6カ月の入眠および睡眠維持の有効性データをもってFDAに承認された最初の不眠症治療薬です。
SUNRISE1試験およびSUNRISE2試験(SUNRISE2試験は投与開始から30日)での「DAYVIGO」投与群において5%以上の発現率で、かつプラセボ投与群と比べて少なくとも2倍の頻度で報告された有害事象は傾眠でした(「DAYVIGO」10mg投与群:10%、「DAYVIGO」5mg投与群:7%、プラセボ投与群:1%)。
安全性として、「DAYVIGO」(5mg、10mg)投与による健康成人または高齢者の翌朝の自動車運転能力への影響が評価され(106試験3)、10mgを服用している一部の被験者に自動車運転能力の低下が確認されましたが、いずれの「DAYVIGO」投与群においてもプラセボ投与群と比較して統計学的に有意な低下は確認されませんでした。さらに夜間覚醒時および翌日の姿勢安定性(ふらつき、転倒リスクの予測因子)や記憶力などの持ち越し効果についても評価され(108試験4)、「DAYVIGO」投与群は、夜間覚醒時には、患者様は姿勢が不安定になる可能性、注意力および記憶障害について注意する必要がある一方、翌日のふらつきおよび記憶力についてプラセボ投与群と比較して問題となるような悪化は見られませんでした。
「DAYVIGO」(5mg錠および10mg錠剤)は、2019年12月にFDAより新薬承認を取得し、米国麻薬取締局(the U.S. Drug Enforcement Administration:DEA)による規制物質法に基づくスケジュール審査により、2020年4月にスケジュールIV医薬品に分類されました。この分類では、アルコールや他の薬物の乱用もしくは依存症の既往歴がある方は、乱用および依存症が生じるリスクがあり、そのような患者様への「DAYVIGO」の投与においては、注意深い経過観察が必要です。日本においては、2020年1月に不眠症治療薬として製造販売承認を取得し、4月に薬価収載され、現在発売準備中です。また、カナダにおいては2019年8月に新薬承認申請を行っています。
不眠症は、睡眠をとる十分な機会があるにもかかわらず、入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方に苦しむことが特徴です5、6。罹患頻度の高い代表的な睡眠障害のひとつで、全世界で成人の約30%の方が不眠症の症状を有し7、8、特に高齢者の有病率は高い傾向にあり、多くの場合、その症状は数カ月から数年にわたります。その結果、不眠症は、長期欠勤や生産性の低下などのさまざまな社会的損失をもたらすことが明らかとなっています。
当社は、「DAYVIGO」の新発売を機に、不眠症の患者様に、速やかな入眠と良質な睡眠維持によってもたらされる日中の活力ある生活をお届けし、患者様のリワーク/リカバリーに貢献してまいります。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2020/news202025.html
概要:エーザイ株式会社
詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。
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