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骨転移治療薬を使い、がん免疫細胞治療の効果を高める独自技術について特許(日本・韓国)が成立

2012年1月31日

株式会社メディネット

骨転移治療薬を使い、がんを攻撃する機能を強化
がん免疫細胞治療の効果を高める、独自技術について特許(日本・韓国)が成立

 再生・細胞医療など次世代医療技術の開発に取り組むバイオメディカル企業、株式会社メディネットは、がんに対する免疫細胞治療のひとつである「樹状細胞ワクチン療法」の効果を高めるために当社が開発した独自技術について、既に権利化している欧州11カ国・オーストラリアに加えて、このたび日本および韓国においても特許が成立しましたので、お知らせ致します。

■樹状細胞ワクチン療法とは
 人間の血液中にある“樹状細胞”と呼ばれる免疫細胞は、がん細胞だけが持つ目印(がん抗原)を認識して、その特徴を攻撃部隊である細胞傷害性T細胞(以下、CTL)※に伝達して、攻撃命令を出す「司令官」の役割を持つ細胞です。
 樹状細胞ワクチン療法は、患者さんの血液中から樹状細胞のもとになる細胞を取り出して、体外で樹状細胞に分化、同時にがんの特徴を覚え込ませたうえでワクチンとして体内に投与することで、がんへの直接的な攻撃を担う体内のCTLの働きを強化して、がんを攻撃しようとする細胞治療です。

■特許技術について
 治療効果を高めるためには、攻撃部隊である体内のCTLを、より強力に活性化させる必要がありますが、今回成立した特許技術は、樹状細胞ワクチンを調製する際に、骨粗鬆症や、がんの骨転移などの治療薬として用いられるビスホスホネート製剤※を添加することで、樹状細胞の機能を強化する技術で、CTLを誘導する能力を大幅に高められることを確認しています。
 当社は本技術を用いた樹状細胞ワクチン療法技術を、2007年より契約医療機関等に提供しておりますが、今後はさらに本技術を希望する国内外の医療機関や企業に積極的にライセンスアウトすることで、より広く治療に貢献していきたいと考えております。

【今回成立した特許情報】
日本
登録番号: 特許第5156137号
発明の名称: 樹状細胞、該樹状細胞を含む医薬、該樹状細胞を用いた治療方法、およびγδT細胞の培養方法
権利者: 株式会社メディネット

韓国
当社技術を使った、樹状細胞ワクチン療法のプロセス
登録番号: 特許第10-1217706


【細胞傷害性T細胞(CTL)】
キラーT細胞とも呼ばれるTリンパ球の一種(CTLはCytotoxic T Lymphocyteの略)。宿主にとって異物になる細胞(がん細胞・ウイルス感染細胞・移植細胞など)を認識して殺傷する、がん攻撃の主力となる免疫細胞。

【ビスホスホネート製剤】
ビスホスホネート製剤は、近年、悪性腫瘍による高カルシウム血症の治療薬として、また、ビスホスホネート製剤のひとつであるゾレドロン酸は、種々のがんの骨転移あるいは多発性骨髄腫の治療薬として使用されている。国内ではゾレドロン酸系のほか、パミドロン酸、アレンドロン酸、インカドロン酸系などの薬剤が国内で販売され、治療に使用されている。

以上
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