5Gを活用した重機の遠隔操縦に関する実証実験を実施
[22/10/18]
提供元:共同通信PRワイヤー
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金沢工業大学、(株)ヨシカワ、NTTコミュニケーションズ(株)との共同研究で
金沢工業大学(石川県野々市市)は、株式会社ヨシカワ(石川県金沢市)、NTTコミュニケーションズ株式会社(東京都千代田区)と、5Gを活用した重機の遠隔操縦に関する共同研究を進めています。共同研究の一環として、令和4年9月12日(月)〜14日(水)にかけて、金沢工業大学白山麓キャンパスにて、実際の重機を用いた実証実験を行いました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O4-04rEmfq7】
遠隔操作システムを搭載した重機。白山麓キャンパスの実証実験フィールドにて
共同研究の経緯・背景
共同研究のスタートは、2019年10月25日に白山麓キャンパスで開催された「KIT地方創生イノベーションシンポジウム」に、株式会社ヨシカワが参加したことがきっかけでした。建設機械のレンタル・販売・修理を事業内容とする株式会社ヨシカワは、災害復旧の現場や人が立ち入るのが危険な場所等で操作・運用できる重機のニーズに対応すべく、無人化施工の重機の開発を行っていました。これまでに、株式会社ヨシカワは無人化遠隔操縦対応の重機に自社開発したカメラシステムを搭載して、カメラ画像と目視を併用するシステムの構築と、国土交通省が進めるICT技術によるマシンコントロール、マシンガイダンス機能を付与した取り組みも実際の砂防現場で行っておりましたが、直接的な目視を伴わない遠隔での操作は実現できていませんでした。金沢工業大学でのシンポジウムの際に、無人化遠隔操縦重機同士の衝突防止や5Gを活用した重機の遠隔操作について、株式会社ヨシカワから金沢工業大学に相談があり、2020年8月に、今回の共同研究が始まりました。その後、インターフェースの検討、Wi-fi通信での実験、遠隔操作システムの構築などを経て、5G環境の白山麓キャンパスで実証実験を行いました。
共同研究と実証実験は、金沢工業大学工学部情報工学科の佐野渉二准教授、リサーチ・アドミニストレーター(URA)の埴田翔さん、株式会社ヨシカワ、NTTコミュニケーションズ株式会社のチームで推進しました。
共同研究・実証実験の内容
今回、共同研究で開発したシステムは、既存の遠隔操縦機能付き重機に自由視点の俯瞰映像システムと映像伝送システムを組み合わせることで、直接目視が難しい遠隔地からでも重機の周囲の安全を確認できる機能を付加するものとなっています。既存の遠隔操縦機能付き重機に付与することにより、既存の重機を活かし、比較的に安価に、直接目視できないような遠隔地からの遠隔操縦を実現しています。
自由視点の俯瞰映像システムは、沖電気工業株式会社のリアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー®」を実装し、映像伝送システムは、株式会社ソリトンシステムズ社製の「Zao-S」を利用しました。また、白山麓キャンパスに設置された株式会社NTTドコモの5G回線を活用して、映像等を伝送するシステムとなっています。重機オペレータは、重機を自由視点から見下ろした全方位360度の映像、前方映像、後方映像の3つの映像を確認しながら、重機を遠隔地から操作することが可能です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O1-65Bv3P89】
遠隔操作中の画面。全方位映像(右)で重機の周囲を確認することができる
実証実験は、金沢工業大学白山麓キャンパスのコテージ前の実験フィールドで実施しました。重機(キャリア:運搬作業用車)にカメラを含むデバイスを搭載し、キャンパス内のイノベーションハブから遠隔操作を行いました。また、比較対象実験として、通信にWi-fiを使用した実験も行いました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O3-0Y1W1bJy】
白山麓キャンパスのイノベーションハブから重機の遠隔操作を行った。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O2-oqjl5028】
写真右:コテージ前の実験フィールド
実証実験の結果
実験の結果、重機の俯瞰映像をNTTドコモの5G回線により低遅延で伝送することにより、重機をまったく目視できない遠隔地においても、円滑に操縦できることが実証されました。5Gを使った通信に関しても、Wi-fi環境と操作に遜色がなく、支障のないレベルでの遠隔操作が可能でした。また、目視を伴う遠隔操作と比べ、自由視点の俯瞰映像システムのおかげで重機の周囲の状況が把握しやすいというメリットがあることもわかりました。
今回の遠隔操作システムの実証実験により、現場から遠く離れた遠隔地からの操作が実現可能なことがわかり、今後、人が立ち入れない危険な現場や災害現場等での活用が期待されます。遠隔操作の実現により、重機オペレータの安全性の向上、作業効率の向上など、生産性向上と働き方改革にも資するものとなることが予想されます。
工事・建設現場等では生産性向上が喫緊の課題となっており、国道交通省においても、i-Construction(*)として、ICTの活用等により生産性向上等を進めています。今回の取り組みは、工事・建設現場等のDX(デジタルトランスフォーメーション)にも繋がる取り組みと位置づけられます。
今後は、今回の成果をもとに、株式会社ヨシカワのもとで、重機へのシステムの実装が検討されます。
*i-Construction:「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す、国土交通省の取り組み。
*「フライングビュー」は沖電気工業株式会社の日本における登録商標です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O5-72XImr7I】
白山麓キャンパスのコテージ前の実験フィールドで実証実験を実施
金沢工業大学(石川県野々市市)は、株式会社ヨシカワ(石川県金沢市)、NTTコミュニケーションズ株式会社(東京都千代田区)と、5Gを活用した重機の遠隔操縦に関する共同研究を進めています。共同研究の一環として、令和4年9月12日(月)〜14日(水)にかけて、金沢工業大学白山麓キャンパスにて、実際の重機を用いた実証実験を行いました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O4-04rEmfq7】
遠隔操作システムを搭載した重機。白山麓キャンパスの実証実験フィールドにて
共同研究の経緯・背景
共同研究のスタートは、2019年10月25日に白山麓キャンパスで開催された「KIT地方創生イノベーションシンポジウム」に、株式会社ヨシカワが参加したことがきっかけでした。建設機械のレンタル・販売・修理を事業内容とする株式会社ヨシカワは、災害復旧の現場や人が立ち入るのが危険な場所等で操作・運用できる重機のニーズに対応すべく、無人化施工の重機の開発を行っていました。これまでに、株式会社ヨシカワは無人化遠隔操縦対応の重機に自社開発したカメラシステムを搭載して、カメラ画像と目視を併用するシステムの構築と、国土交通省が進めるICT技術によるマシンコントロール、マシンガイダンス機能を付与した取り組みも実際の砂防現場で行っておりましたが、直接的な目視を伴わない遠隔での操作は実現できていませんでした。金沢工業大学でのシンポジウムの際に、無人化遠隔操縦重機同士の衝突防止や5Gを活用した重機の遠隔操作について、株式会社ヨシカワから金沢工業大学に相談があり、2020年8月に、今回の共同研究が始まりました。その後、インターフェースの検討、Wi-fi通信での実験、遠隔操作システムの構築などを経て、5G環境の白山麓キャンパスで実証実験を行いました。
共同研究と実証実験は、金沢工業大学工学部情報工学科の佐野渉二准教授、リサーチ・アドミニストレーター(URA)の埴田翔さん、株式会社ヨシカワ、NTTコミュニケーションズ株式会社のチームで推進しました。
共同研究・実証実験の内容
今回、共同研究で開発したシステムは、既存の遠隔操縦機能付き重機に自由視点の俯瞰映像システムと映像伝送システムを組み合わせることで、直接目視が難しい遠隔地からでも重機の周囲の安全を確認できる機能を付加するものとなっています。既存の遠隔操縦機能付き重機に付与することにより、既存の重機を活かし、比較的に安価に、直接目視できないような遠隔地からの遠隔操縦を実現しています。
自由視点の俯瞰映像システムは、沖電気工業株式会社のリアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー®」を実装し、映像伝送システムは、株式会社ソリトンシステムズ社製の「Zao-S」を利用しました。また、白山麓キャンパスに設置された株式会社NTTドコモの5G回線を活用して、映像等を伝送するシステムとなっています。重機オペレータは、重機を自由視点から見下ろした全方位360度の映像、前方映像、後方映像の3つの映像を確認しながら、重機を遠隔地から操作することが可能です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O1-65Bv3P89】
遠隔操作中の画面。全方位映像(右)で重機の周囲を確認することができる
実証実験は、金沢工業大学白山麓キャンパスのコテージ前の実験フィールドで実施しました。重機(キャリア:運搬作業用車)にカメラを含むデバイスを搭載し、キャンパス内のイノベーションハブから遠隔操作を行いました。また、比較対象実験として、通信にWi-fiを使用した実験も行いました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O3-0Y1W1bJy】
白山麓キャンパスのイノベーションハブから重機の遠隔操作を行った。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O2-oqjl5028】
写真右:コテージ前の実験フィールド
実証実験の結果
実験の結果、重機の俯瞰映像をNTTドコモの5G回線により低遅延で伝送することにより、重機をまったく目視できない遠隔地においても、円滑に操縦できることが実証されました。5Gを使った通信に関しても、Wi-fi環境と操作に遜色がなく、支障のないレベルでの遠隔操作が可能でした。また、目視を伴う遠隔操作と比べ、自由視点の俯瞰映像システムのおかげで重機の周囲の状況が把握しやすいというメリットがあることもわかりました。
今回の遠隔操作システムの実証実験により、現場から遠く離れた遠隔地からの操作が実現可能なことがわかり、今後、人が立ち入れない危険な現場や災害現場等での活用が期待されます。遠隔操作の実現により、重機オペレータの安全性の向上、作業効率の向上など、生産性向上と働き方改革にも資するものとなることが予想されます。
工事・建設現場等では生産性向上が喫緊の課題となっており、国道交通省においても、i-Construction(*)として、ICTの活用等により生産性向上等を進めています。今回の取り組みは、工事・建設現場等のDX(デジタルトランスフォーメーション)にも繋がる取り組みと位置づけられます。
今後は、今回の成果をもとに、株式会社ヨシカワのもとで、重機へのシステムの実装が検討されます。
*i-Construction:「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す、国土交通省の取り組み。
*「フライングビュー」は沖電気工業株式会社の日本における登録商標です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210148197-O5-72XImr7I】
白山麓キャンパスのコテージ前の実験フィールドで実証実験を実施