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新型肺炎拡大がリスクオフムードに向かわせる

オープニングコメント
 27日の日本株市場は、リスクオフムードが強まりそうである。24日の米国市場は、主要企業の決算が好感され買いが先行したが、中国で春節(旧正月)の大型連休中の旅行を取りやめる動きに加えて、各国で中国への渡航禁止勧告が発令されるなど新型コロナウイルスを巡る懸念から下げに転じている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比165円安の23635円となり、これにサヤ寄せする格好から、売りが先行することになりそうだ。

 新型肺炎を巡る警戒感から、積極的な売買は手控えられそうである。中国メディアによると、患者数は累計で2000人を超えてきており、団体客の渡航中止なども伝えられる中、中国経済のみならず、世界経済への影響等も警戒されてくることになりそうだ。日経平均はあっさり25日線を割り込んでくるとみられ、決算発表が本格化する中で出来高が膨らみづらい需給状況であるため、更なる感染拡大等の報道次第では、75日線レベルが再び意識されてくることになりそうだ。先物主導による売り仕掛け的な動きにも注視する必要があるだろう

 また、イラクの首都バグダッドにある米大使館がロケット弾攻撃を受けたと、一部通信社が報じている。これによると米国の大使館がある「グリーンゾーン」と呼ばれる地区に5発のロケット弾が撃ち込まれたと伝えており、地政学リスクへの警戒も再燃する可能性もありそうだ。

 なお、本格化する決算については、米国ではアップルなど主力処の決算が予定されているほか、国内では今週だけでも700社程度予定されていることもあり、決算を手掛かりとした個別物色が中心になりやすいだろう。もっとも、東証1部の出来高が10億株前後と低水準の状況が続いている中では、全体としての方向感は出難い。今後、米国が強い動きをみせたとしても、寄り付き段階で反応を見せた後は、こう着感の強い相場展開が続くことになりそうだ。目先的には決算を評価した個別銘柄での日替わり的な物色が中心になりそうである。

 新型肺炎についてはマスクなど関連銘柄では直近の急伸の反動から選別色が強まりやすいほか、臨床検査、医薬品など、一段と関連銘柄への物色に広がりが見られそうだ。その他、決算については好業績と言え、内需系にシフトしやすいところであろう。なお、米国では前年に納めた所得税を、年明けの確定申告で取り戻すことが一般的であり、1月末ごろからは税還付による需給が押し上げ要因となるだろう。昨年は日本円換算で30兆円規模の還付金が米国個人に給付されたようであり、米国の底堅い動きが安心感につながる可能性はありそうだ。


<AK>

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